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『鬼滅の刃』効果から考えるデザインとビジュアルマーケティング

作成者: Alison Urasaki|20/07/31 12:42

「最近アニメにハマっちゃった〜」と聞いて、『あぁ、もしかして今流行ってるあのアニメ…?』と今老若男女関係無く誰もがすぐに思い浮かべることが出来る大ヒット作品。

『鬼滅の刃 』

 

アニメ化する事自体が元々人気がある証拠ではありますが、どんな年齢の人にも知られていて、その人気がアニメ放送終了後も加速し続けている、その魅力って何でしょうか?

 

何がそんなに人を魅了するのか?

アニメ化したから?原作が面白いから?

多分それだけでは今の人気に到達するには不十分だったのではないでしょうか。

 

大まかな理由としては、

・キャラクターや風景などのデザイン(作画)のクオリティが非常に高い

・主人公級の声優を脇役のキャラにも使用している(声優の無駄遣いとも言われる)※とても褒めている

・アニメ主題歌を歌っている方がファンの多い人気歌手

・芸能人による鬼滅ファンからのSNSやメディアによる発信

 

様々な要因が重なって人気に拍車をかけかけてきたのではないでしょうか?

 

今回はデザイン(作画など)とビジュアル(視覚効果)マーケティングの観点から考えてみると、すごく効果的な仕掛けがされている点を注目してご紹介したいと思います。

 

【鬼滅の刃は作画のクオリティが半端ない!】

 

本作の内容は主人公が家族を鬼に殺され、生き残った妹が鬼となってしまい、その妹を人間に戻すという決意から旅が始まっていく。

どこまでも優しい心の持ち主の主人公と相反して、宿敵である鬼舞辻無惨が顔が徹底的に良いのに中身も徹底的に悪いのも面白いところだ。

 

参照:(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 

1番に注目したいのは、とにかく綺麗な映像。

ネットやSNSの声を聞くと『これアニメじゃなくて、もはや映画では?』という声が多かった。

『とにかく、雪とか畳とか水しぶき、炎の描写がすごい』など。

ちなみに畳のツイートをした方がすごくバズっていました。

また、25話の下弦の鬼がボスから逃げる時の描写がアトラクション並に躍動感があってすごい!(視聴者も一緒に逃げてる様なスリルな気分を感じる)

 

製作秘話で1話の雪のシーンは実際にその現場に行ったとか…。

 

アニプレックスの高橋祐馬プロデューサーによると、戦闘シーンは試行錯誤の連続だったという。

 

 

私自身もアナログやデジタルで絵を描くことを趣味としてるので思う事がよくありますが、作画が繊細でとにかく綺麗なんです!見てて飽きない綺麗さ。イラストを描く人ならアニメーターさんの線画を参考にされることも多いのではないでしょうか?

 

アニメを参考に模写してみた

 

「絵が綺麗」というだけで片付けてはいけなんじゃないかと思う程の高クオリティな作画に惚れ惚れした方は少なくはないはず。

 

たくさんのスタッフ、キャストがキャラクターや背景を一つひとつ何度も試行錯誤を繰り返し細かく繊細なデザインに描かれている、キャラクターデザインするにあたって一切努力を惜しまない結果が視聴者を魅了することにつながっているのではないでしょうか。

 

 

【鬼滅の刃から考えるビジュアルマーケティング】

 

既存漫画・雑誌

 

週刊少年ジャンプで堂々完結した吾峠呼世晴氏による人気漫画「鬼滅の刃」の累計発行部数が5月時点で6000万部を突破したことが発表されました。ジャンプの看板作品の「ONE PIECE」をも超えてしまう人気ぶり…!

更には、アニメディア2020年7月号によると、『読者が選ぶ歴代人気アニメ作品』第1位と、まだまだ人気は止まることを知らなそうです。

 

(2019年4月からアニメ放送開始後の売上。青がアニメ化前)

参照元: https://twitter.com/Marcello0909/status/1197833839139151872

 

いや〜!アニメ(視覚)効果ってすごいですね!

 

 

ちなみに、知人にこれまで全くアニメや漫画に関心を示した事がない子が漫画全巻を揃えてグッズを買うまでになっています。驚きの現象…(笑)

鬼滅の刃は少年漫画なので主に10代の若い男女にターゲット層を充てているかと思われますが、20代を始めとする働く女性にも絶大な人気です。

綺麗なデザインのビジュアルを持つキャラに女性は惹かれるといった点やたくさんのキャラが登場するので好みの『推し』を見つけやすかったという面でも女性に根強いファンを獲得したり、お菓子とコラボしたり…マーケティングの観点からみても良い成功例だなと感じます。

 

本屋にある鬼滅コーナー

 

やはり非常に高いクオリティの作画で有名なufotableさんがアニメを制作を手掛けたことが1番の要因だと感じます。

ですが、作画だけ綺麗なのであれば他の作品も鬼滅と同じくらい売れていたはずではないでしょうか。

 

見た目の作画プラス豪華声優陣と魅力的なキャラクター、元々の原作が非常に面白く感情移入しやすい内容など、様々な要因が重なり、それが結果として視覚に訴える(ビジュアルマーケティング)という点で大成功した良い例ではないかと思います。

 

余談ですが、鬼滅の刃とほぼ同時期に放送された「炎炎ノ消防隊」も同じくアクションやバトルシーンが綺麗でかっこいいのでおすすめですよ^^

 

 

しかし、鬼滅効果、色んな意味で本当にすごい…。

これからキャラの人気投票の結果や10月に劇場版も控えていてまだまだ人気は止まらない様です!

 

 

【まとめ】

 

視覚から得られる効果や綺麗なデザインは見る人を強く魅了します。

ターゲットを定めて様々な視点でたくさんの人が全力で人の心を動かす為に努力を惜しまず試行錯誤を繰り返した結果、成功を得られたのではないでしょうか?

 

これからデザインを学ぶ人や、マーケティングについて学ぼうとしてるけどピンと来ない人でも何気ない日常や趣味から実はそのアイディアやヒントがたくさん得られることがあるかもしれません。