介護離職が年間10万人を超える今、企業には両立支援が義務化されました。本記事では法律改正のポイントと共に、AI・DXを活用した中小企業向けの実践策を具体的に解説します。
「また一人、社員が家族の介護で辞めてしまった」——そんな声が全国の企業から聞こえてきます。
実際、介護離職者は年間10万人を超え、働き盛りの40〜50代の社員が抜けることで、中小企業にとっては大きな痛手です。
この深刻な社会課題に対応すべく、2025年4月1日から「改正育児・介護休業法」が改正され、企業には新たな義務が課されました。
本記事では、その法改正のポイントをわかりやすく解説しながら、AIやDXを活用した中小企業向けの実践的な対応策をご紹介します。
介護離職を防ぎ、「誰も辞めない職場づくり」を実現したい経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事は2025年5月11日に Podcast にて配信した音声をベースに作成しています。 Podcast も合わせてお聞きください。
今回の法改正により、企業には以下のような新たな義務が生まれました。
従業員が仕事と介護を両立できるよう、相談窓口の設置が義務化されました。
相談内容が社内で不利に働くことのないよう、プライバシーへの配慮が必要です。
企業は、社員に対して介護と仕事の両立に関する研修や情報提供を実施することが求められています。
これは義務ではなく努力義務ですが、早期対応が企業の信頼性を高めます。
社内の介護事情を把握するため、アンケートやヒアリングの実施も推奨されています。
法改正の背景には、「柔軟な働き方」の必要性があります。
私自身、2016年に埼玉から沖縄へ戻ったのは、母ががんになり、自宅で介護が必要になったからです。
当時はIT企業に勤めており、リモートワークを活用して在宅勤務しながら母を看病することができました。
しかし、これは業種や職種に大きく依存します。
このようなギャップがあるからこそ、企業は「仕組み」や「制度」を柔軟に設計する必要があるのです。
では、具体的にどのような取り組みができるのでしょうか?
ここで活躍するのが「AI」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。
相談窓口に話しかけにくい…という心理的ハードルを下げるため、AIチャットボットによる匿名相談窓口の設置が効果的です。
「誰にも言えない」をなくし、早期離職を防ぐ第一歩になります。
「誰かが抜けても他の人がカバーできる体制」を作るには、業務の見える化が必須です。
GoogleWorkspaceやNotebookLMのようなツールを使えば、マニュアルのデジタル化や引き継ぎ業務の効率化が簡単にできます。
介護による時間短縮勤務や在宅勤務に対応するために、クラウド型勤怠管理ツールを導入する企業が増えています。
これにより、柔軟な勤務体系の可視化と承認プロセスの簡素化が実現できます。当社では人事労務フリーのオンラインタイムカードを活用しています。
今回の法改正では、企業が支援制度を“積極的に情報発信すること”も推奨されています。
つまり、採用サイトや会社ホームページに“両立支援制度”を掲載することが、採用力アップにもつながるのです。
「ウチの会社は小さいから無理だよ」と感じる方もいるかもしれません。
でも逆に言えば、1人でも辞めたら大きなダメージになるからこそ、事前の仕組みづくりが命取りにならない鍵です。
企業の競争力は「商品」や「価格」だけではありません。
これからは、「どんな職場で、どんな人が、どう安心して働けるか」が採用にも経営にも直結します。
今後の経営においては、
✅ 法改正の理解
✅ DXによる仕組みづくり
✅ 採用サイトなどでの見える化
この3つが重要な柱となるでしょう。
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