デジタル時代に会社の規模は関係ない!
小さな会社がデジタルを駆使してブランドをつくる為のガイドブックです。
世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスにより、多くの企業が従来のビジネススタイルでは継続することすら難しくなってきています。
企業はテレワークを推進し、大手企業を中心にテレワークが常態化しています。
インターネット大手企業のGMOや東芝は、在宅勤務を恒常化させるとニュースで報じられていました。
テレワークが当たり前になると、働く人、お客さんは、どこにいるかは関係ありません。
つまり、企業の規模関係なく、日本全国から優秀な人材を採用したり、顧客を開拓することができるようになります。
BrandBuddyzもコロナ自粛中のなか、自社のブログ記事で新規顧客を引き寄せて、zoomで商談し、契約締結を行っていました。
業績が悪化するどころか、逆に事業を成長させることができています。
ブログ記事に関してはコロナが流行りだした3月から5月末の間でアクセス数が125倍となり、そこから新規の顧客も開拓できています。
沖縄の小さな会社ですが、デジタルを戦略的に活用することで、自社の人材採用や顧客開拓に成功することができています。
わたしたちが支援している顧客もコロナ禍で事業を成長させています。
一例ですが、ウエットスーツをつくっている小さな工房がオンラインショップを立ち上げて、自社ブランドのウエットスーツマスクを販売し、全国から注文が殺到し人員増強をするなども起きています。
広告は一切うたずに、集客し、顧客の声を聴き、商品を改善させ、さらにファンを増やす好循環もつくりだしています。
デジタル時代は、誰もが情報を取得、発信できる最高な環境が整っています。
小さな会社でもデジタルを駆使することで、ブランドをつくることが可能です。
「デジタル時代に会社の規模は関係ない」
ぜひ、このガイドを参考に自社のブランド戦略を立ててみてください。
E-bookの内容をこちらに掲載します。
2020年8月18日にイオンモール沖縄ライカム にある、コワーキングスペース「howlive(ハウリブ )」にて、開催したブランディング・マーケティングセミナーの動画でも解説しています。
ぜひ、ご視聴ください。
ダウンロード特典
スマホが普及したことで、誰でも情報を取得、発信できるようになりました。
あなたは、今日、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNSを見ましたか?
タイムラインから流れる友人の投稿やコメント、広告などなど、日常茶飯事に私たちは情報というシャワーを大量にあびています。
Cisco(2019)によると、2018年から2021年にかけてトラフィック(情報通信量)は2倍に達すると予測。今後も動画を中心に増大していき、情報爆発は避けられません。
参照:データトラフィックの拡大
私たちは、日常生活において膨大な情報にさらせれています。
つまり、企業が発信する情報は「伝わらない」ということです。
スマホ、SNSが普及した今、消費者の消費行動プロセスも変化しています。
次は、その変化についてフレームワークで解説します。
スマホの普及、SNSが日常生活に浸透するなか消費者の行動も変化しています。
AIDMA、AISCEAS、SIPSのフレームワークでご紹介します。
テレビ全盛期
AIDMA(アイドマ)モデル
例:テレビで車のCMを見て、覚えておいて、日曜日に店舗へ行って試乗する。
このアイドマモデルは、チラシやポスター含め、今でも広告を行う際に有効なモデルです。
従来と今が違うのは、消費者が取得する媒体としてテレビの影響力が昔よりも弱くなったということです。
検索全盛期
AISCEAS(アイシアス)モデル
例:テレビでダイソンのCMを見て、興味を持ち、検索。他の掃除機と比べて良さそうだし、口コミも良かったので購入。
実際に良いものだったので、facebookで情報共有。今はこのアイシアスモデルが一般的となっています。
消費行動の変化 -SNS-
SNS全盛期
SIPS(シップス)モデル
例:商品ブランドなど友人などのレビューを見て共感し、購買を検討。
さらに、一度自分で確認し、購入や応援、伝道者として参加し、共有、拡散する
消費者と企業の関係性が「共感し参加」へシフトしています。
図表出典:電通「SHIPS:来るべきソーシャルメディア時代の新しい生活者消費行動モデル概念」
共感で繋がりファンになる
時代とともにユーザーの消費行動は変化しています。
企業の一方的なマスマーケティングにおける情報発信では、通用しなくなりました。
ソーシャル時代では「共感」され、いかにして身近な人から支持を得られるかがポイントになります。
顧客と企業という関係性から「共感」で繋がる仲間のような関係性になってきています。
共感し、ファンとなり、仲間となる。
そのためには、企業の考え方、価値観をしっかりと社内外に発信することが大切です。
つまり、共感されるブランドとして育てていくことが重要です。
次の章では、ブランドとは何かについてご紹介いたします。
ブランドとは何か?
そもそもブランドとは何か?
ブランドと聞いて、何を思い浮かべますか?
シャネルやヴィトン、プラダなどのブランドをイメージされますか?
ブランドには種類があります。企業ブランド、事業ブランド、商品ブランドです。
それぞれ階層が異なりますが、基本的には同じ意味です。
すき家を運営しているゼンショーを例にたとえると
企業ブランド(ゼンショー)
┗事業ブランド(すき家、なか卯、ココスetc..)
┗商品ブランド(すき家の牛丼)
企業ブランド
事業ブランド
商品ブランド
ゼンショーは事業ごとにブランドを立ち上げていますが、小さな会社が同じようにマネができるとは限りません。
まずは自社の顧客目線にたち、優先順位をつけて企業ブランド、事業ブランド、商品ブランドを立ち上げることをおすすめします。
ブランド戦略が重要なことは、事業をやっていれば、会社の規模関係なく必要であることは理解できます。
しかしながら大手企業と違い、小規模事業者や中小企業ではブランド戦略をしっかり策定し、事業に落とし込んでいるところは少ない状況です。
小規模事業者、中小企業のブランド戦略における課題
野村総合研究所が発表している平成28年度の中小企業・小規模事業者の成長に向けた事業戦略等による調査結果によるとブランド戦略に関する課題がわかります。
中小企業・小規模事業者の成長に向けた事業戦略 等に関する調査に係る委託事業 事業報告書
自社の強みを活かし、競合と差別化するうえでブランド戦略を行いたいが、人材がいない、コストをかけられないなどの課題を感じていることがわかります。
ブランドの正体
では、小さな会社がブランド戦略を行うには、どうしたらよいでしょうか。
情報爆発している現在、企業が発信したい情報は消費者には届きにくくなりました。
スマホ、SNSが普及したことにより、消費行動プロセスも変化してきました。
そのうえで、どのようにしてブランドは形成されていくか、考えてみましょう。
特定の何かで目立つこと
情報爆発時代には、目立たないと、誰の目にも止まりません。
ただ目立つのではなく、『特定の何か』 をつくり、人の記憶に残す必要があります。その特定の何かとは?
「らしさ」のことです。
「らしさ」=「ブランド」です。
らしさを明確にすることで、目立つことができます。
では、らしさって何で構成されるのでしょうか。
ブランド(らしさ)の構成要素
一般社団法人ブランド・プランナー協会の資料を参照
らしさは様々な要素で構成されます。いちばん大事なのは、根っこの部分。
目に見えない、土台の部分です。
ここがないと、表面だけ綺麗にしても、中身のないメッキみたいになってしまいます。
土台となる過去から現在までの価値観や理念、存在意義から、未来に向かうビジョン。土台を明確にすることがブランドをつくる最初の一歩です。
ブランドって人は何で理解するか?
右脳と左脳です。
どちらも重要です。
右脳は見た目、ビジュアル。たとえば、ロゴ、WEBサイト、名刺、看板、ファッション、パンフレットなど。
左脳は、理念やビジョン、社風、ストーリーなどです。
この右脳と左脳でその企業の「らしさ」を人は頭の中で記憶します。
記憶されるためには、一貫性と継続性が必要となります。
一貫したメッセージの必要性
誰がも知っている、アップル。
このロゴマークを見た瞬間、何を浮かべますか?
創業者のスティーブジョブスがアップルを追い出されて、また戻ってきたときに、崩れたアップルを立て直すときに始めたキャンペーン。
Think Different
このブランドメッセージは多くの挑戦する人を惹きつけました。
単なるコンピューターメーカーから脱却し、哲学を浸透させることにアップルは成功しました。
ブランドとは「らしさ」のこと。
らしさを出すにはどうしたらよいでしょうか?
らしさを出すには?
ブランド戦略を立てる第一歩は社会において、自社の存在意義を明確化し、それを見える化していくことからはじめていきます。
アップルでは「Think Different」という考え方を見える化し、全ての媒体(テレビCMや新聞広告)などで一貫して同じメッセージを訴求しました。
あなたの会社は
何のために存在していますか?
実現したい未来は何ですか?
誰のために事業を行っていますか?
会社の考え方を明文化していますか?
社内と社外において
伝えたいメッセージを一貫して伝えていますか?
二つのブランディング
ブランド=「らしさ」とお伝えしてきましたが、この「らしさ」は時代とともに変化するものと、変化しないものがあります。
土台となる理念やビジョン、行動指針や社風など、どんな小さな会社でも大切にしている価値観があります。
変わらないことをコーポレートアイデンティティー(CI)と呼びます。
CIをデザインなどで見える化したものをビジュアルアイデンティティー(VI)と呼びます。
ブランディングの最初のステップは、社内からはじめます。
広告やWEBサイトでいくら良いこと言っても、中で働いている人が思っていなければ、メッキはすぐに剥がれてしまうからです。
インナーブランディングとアウターブランディング
インナーブランディングとは社内に対して行うブランディング。アウターブランディングとは社外に対して行うブランディングのことです。
ブランディングのセンターピン
社内と社外で一致してはじめて、ブランドは構築されます。
「ブランディングしたいから、WEBサイトのデザインやパンフレットのデザインを一新したい」と相談してくる経営者も多いですが、単に見栄えがよくなればよいというわけではないです。
ブランディングは、社内の価値観を明確にして、社外からの評価を理解し、そのずれをなくしていくことです。
そのためには、センターピンとなるブランド(らしさ)を明確化することが重要です。
このフレームワークは一般社団法人ブランド・プランナーが提唱しているものです。
※BrandBuddyzの代表照屋寛樹は国内唯一のブランドプランナー1級取得者。
ブランドファースト
(一般社団法人ブランド・プランナー協会のフレームワーク)
ブランディングの効果
採用力、顧客創造力、組織力強化につながります。
BrandBuddyzのクライアントに養鶏場がありますが、ブランディングのお手伝いをしてWEBサイトでアウターブランディングをしたところ、1カ月もたたないうちに、講師の依頼、テレビ出演のオファーがきました。
それだけ、土台を軸としたブランド発信は事業推進において大きな影響力があります。
How? ブランドをつくるには?
ブランディングは、自社の「らしさ」を明確にしていくプロセスです。
らしさを抽出するには、社内で大切にしている「言葉」を洗い出し、整理していきます。
私がコンサルティングで行うプロセスを紹介します。
①経営者、幹部にヒアリングを行う。
②従業員にヒアリング、アンケート調査を行う。
③顧客にヒアリング、アンケート調査を行う。
でてきた言葉を整理して、自社のCI言語(コーポレートアイデンティティー)を明確化します。
CI言語レポートの事例
①②経営者、従業員にヒアリングする内容をご紹介します。
土台となる価値観や考え方を抽出する
■ブランドのコア要素を整理する
・企業理念は何か?何のために社会に存在しているのか?
・企業ビジョンは何か?1年後、3年後、5年後、長期的に実現したい未来は?
・ビジョンを実現するための戦略は何か?
・USP(競合優位性)は何か?
・顧客への提供価値は何か?
┗中心的価値
┗機能的価値
┗情緒的価値
・らしさは何か?一言でいうと?
■課題の整理
・解決すべき課題は何か?ビジョンと現状のギャップを明確にする
■顧客を深く理解する
・顧客が自社を選ぶ理由は何か?評価されているポイントは何か?
・顧客は誰か?(ペルソナ:具体的な人物像を明確にする)
・顧客のインサイトは何か?(心の欲求・不満・不安を明確化する)
・タッチポイントを洗い出す(顧客と貴社の接触ポイント)
経営者、幹部と従業員にヒアリングすると共通するキーワード、異なるキーワードが出てきます。
それらを整理し、ギャップを埋めていくことがインナーブランディングの最初のステップになります。
ステップ2 顧客の声を聴く
③顧客に対するヒアリング、アンケートの内容を紹介します。
顧客の声を聴く
自社が思っている強みは顧客が感じている価値とはズレていることがあります。
顧客の声を聴くことで、気づいていない強みや価値、「らしさ」を知ることができます。
アンケートやヒアリングで確認することは3つです。
■NPS(顧客ロイヤリティ)
「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略でこれまで計測することが難しかった顧客ロイヤルティを数値化する指標です。
NPSは「推奨者」の割合(仮に50%)から「批判者」の割合(仮に30%)を引いた数値(50%-30%=20%)のことを指します。
推奨者が増えるほど数値が高くなり、批判者が減るほど数値が高くなるように設計されています。
■CES(顧客努力指標)
CESとは「Customer Effort Score」の略で、顧客努力指標のことです。
顧客がどれだけ手間や時間をかけずに、努力を強いられることなく、楽に円滑に課題・問題が解決できたかどうか知るKPIです。1〜7段階で数値が低いほどよいです。
■らしさを一言で言うと?
顧客が感じてる「らしさ」を自由筆記で記入していただきます。
情緒的価値(感情的結びつき)を確認することができます。
アンケートを集計し、顧客の声を数字とコメントにより、顧客が感じている自社の「らしさ」を見える化します。
ステップ3−1 らしさを発信する
自社の「らしさ」を社内と顧客から導き出したらそれを社外に向けて発信できる言葉やビジュアルとして形にしていきます。
理念やビジョンが、もともとある会社はそのまま使用し、リ・ブランディング(ブランドを再構築)する必要のある会社は再定義します。
外にむけて「らしさ」を発信する前に、タグラインを策定します。
タグラインとは?
企業理念やビジョンは情報量が多く、社内外に対して伝わりにくい言葉であったりします。これをシンプルに伝わる、人の記憶に残りやすく短い言葉にしたものがタグラインです。
たとえば、リクルートは人材派遣やホットペッパー、じゃらんなど様々な事業を展開しています。それぞれの業態は異なりますが、その役割を示す言葉を一つの言葉で表しています。テレビCMでフレーズを聞いたことありますよね。
CI言語(企業理念やビジョン、タグライン)が定まれば、次はVI(ヴィジュアルアイデンティティー)を明確にしていきます。
ロゴやパンフレット、看板、Webサイトなどのデザインにおいて、全て一貫性を持たせます。
そこで外に発信するメディアを大きく3つに分けて考えます。
トリプルメディア
■オウンドメディア:自社でコントロールできるメディアのこと
ホームページとか名刺とかパンフレットとかチラシとかです。
■ペイドメディア:他社にお金を払って露出するメディアのこと
テレビCMとかラジオCM、新聞広告、インターネット広告などです。
■アーンドメディア:SNSなどの口コミメディアのこと
フェイスブックやインスタで他者の投稿はコントロールできないですよね。
ステップ3−3 接点で一貫性を持たせる
いちばん最初にやるべきなのは、オウンドメディアを充実させることです。
いくら、インスタグラムやツイッター、フェイスブックをがんばって投稿しても、自社の公的な情報発信の受け皿がないと、ユーザーは困惑してしまうからです。
トリプルメディアで自社のらしさ=ブランドを発信するためには、必要としている人に必要な情報を正しく伝える必要があります。
必要としている人、つまり、あなたの会社になりえる見込客や既存客、採用したい求職者のことです。
企業の「らしさ」は人の右脳と左脳で理解し、記憶します。
その「らしさ=ブランド」が伝わる接触ポイントのことを、タッチポイントと呼びます。
人は日常で多くて7つ以上出来事を記憶できないとも言われています。
忙しい毎日のなかで、企業のメッセージを記憶させることはなかなか難しいです。だからこそ、一貫性のあるメッセージを継続して発信する必要があります。
タッチポイント=ブランドを感じる接点
ブランディング全体の流れ
ブランディングの全体の流れをご紹介します。
これはBrandBuddyzで行っているコンサルティングの流れです。
①目的・与件整理をします。
②ヒアリング・分析・調査を行います。(今回ご紹介したステップ1と2)
③コンセプト策定(ステップ3)
④言語化/視覚化(ステップ3)
⑤ルールブック作成(レギュレーション)
⑥ブランド運営管理(定期的にチェックを行う)
自社でブランディングを行うには、客観性が必要となります。
ヒアリングについては、自社で行うより、友人の経営者や、コンサルタントなど第3者に依頼することをおすすめします。
客観的な視点で自社の「らしさ」を気づかせてくれるはずです。
外部に依頼しなかったとしても、まずは従業員や顧客の声を聴き、土台となる考え方を整理し、見える化していくことをおすすめします。
ブランディングをはじめるチェックリストとガイドを紹介します。
ブランディングガイド
YES! OR NO… で進んでみてください。やるべき施策が明確になります。
まとめ
Why?
情報爆発時代は伝わらない
What?
ブランドとは「らしさ」
How?
一貫したメッセージをあらゆる媒体で継続して伝える
ブランドをつくりましょう。
デジタル時代に会社の規模は関係ない
ダウンロード特典
オンラインとオフラインでメディア戦略を立てるときにご利用ください。