マーケティング戦略を考える時、皆さんもいろんなレポートを調べたりしますよね。私もよくやるんですが、先日、電通グループが発表したCMO調査レポート2024がとても参考になったので、今日はその内容を皆さんと共有したいと思います。
このレポートでは、今後マーケティングがどう変わっていくのか、どう変わらなければいけないのか、その役割は一体何なのかについて、8つの課題やトピックが挙げられていました。その中で、私が特に重要だと感じたことを独自の観点で2つのポイントにまとめました。
そして、面白いことに、このレポートの内容が私たち沖縄の伝統芸能であるエイサーと共通点があることに気づいたんです。マーケティングとエイサー、一見関係なさそうですが、実はとても似ているんですよ。
これから、その繋がりも交えながら、マーケティングの未来について話していきましょう。
この記事は2024年9月5日にポッドキャストにて配信した音声をベースに生成AIとともに作成しています。Podcast も合わせてお聞きください。
電通グループCMO調査レポートが示すマーケッターに求められる8つの重要課題
- オムニチャネル・クリエイティビティからオムニプレゼント・クリエイティビティへ
- シェア・オブ・ボイスからシェア・オブ・カルチャーへ
- コントロールからコンダクト(指揮)へ
- シームレスな体験から唯一無二な体験へ
- 知見から先見へ
- 競争相手としてのAIから共同作業者としてのAIへ
- 先端のイノベーションからコアのイノベーションへ
- 規定課題に対応するだけでなく、ビジネスを変革し、社会 を変える パートナーへ
上記の8つの重要課題を読み解き、私なりの考えを独自の観点で2つにまとめましたので共有します。
1.ブランド体験はカルチャーへ昇華
まず1つ目のポイントは、「ブランド体験はカルチャーへ昇華」ということです。従来のマーケティング活動って、マス4媒体だったり、SNSだったり、そういったタッチポイントで、クリエイティブを使ってどんどん発信して、ブランド体験を作ろうと動いてきましたよね。でも、これからは違うんです。
単にブランド体験を提供するだけじゃなく、その体験を「唯一無二の存在」にして、さらに「カルチャー」として昇華させていく。そこまでマーケティング担当者は考えないといけない時期に来ているんです。
ここでエイサーのことを考えてみてください。エイサーって、単なる踊りじゃないですよね。沖縄の文化そのものなんです。人々の生活に深く根付いて、世代を超えて受け継がれてきた。まさに、文化へと昇華した体験の典型例といえるでしょう。
じゃあ、私たちマーケティング担当者はどうすれば、ブランド体験をカルチャーへと昇華させられるのか?
まず、自社の製品やサービスが持つ本質的な価値を深く理解することから始まります。その価値が、どのように人々の生活や社会に貢献できるのか、長期的な視点で考えてみてください。
次に、その価値を顧客と共に創造していく仕組みを作ることです。例えば、顧客参加型のイベントや、SNSを活用したコミュニティ作りなどが考えられます。エイサーが地域の人々と共に発展してきたように、ブランドも顧客と共に成長していくのです。
中小企業の皆さん、自社のブランドがどんなカルチャーを生み出せるか、考えてみてください。地域に根差した取り組みや、特定のライフスタイルの提案など、大企業にはできない独自のカルチャー創造ができるはずです。
2.CMOの役割はイノベーションの指揮者に
2つ目のポイントは、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)の役割が「イノベーションの指揮者」に変わるということです。
今までのCMOって、データを使って広告代理店にコントロールや指示を出したり、そういった管理や指示出しが主な仕事でしたよね。でも、これからは違うんです。
これからのCMOは、イノベーションを起こすためのオーケストラのような指揮者になる必要があります。バラバラな要素を1つのメロディとして成立させるために、全体を調整し、導いていく。そんな役割が求められるようになってきているんです。
ここでも、エイサーとの共通点があります。エイサーの演舞を見たことがある人なら分かると思いますが、太鼓、踊り、歌、すべてが見事に調和していますよね。これは、まさにイノベーションの指揮者がいるからこそ実現できるんです。
では、マーケティング担当者はどうすれば「イノベーションの指揮者」になれるのか?
まず、データでインサイトを把握し、予測する力を磨くことが大切です。しかし、データだけでなく、直感や経験も大切にしましょう。エイサーの指揮者も、データだけでなく、観客の反応や演者の調子を敏感に感じ取りながら演舞を導いています。
次に、異なる部門や外部のパートナーとの協力関係を築くことです。製品開発、営業、カスタマーサポート、さらには外部のクリエイターやインフルエンサーなど、様々な「演者」の力を結集させ、新しい顧客体験を創造していくのです。
そして、この「オーケストレーション」を通じて、唯一無二の体験を作り出すことが求められています。バラバラでは良い音楽は奏でられません。マーケティングは、まさに音楽に近づいているんです。
中小企業のマーケティング担当者の皆さん、自分の役割を「管理者」から「イノベーションの指揮者」へと進化させる必要があります。部門の壁を越えて、社内外の知恵を結集させ、新しい価値を生み出していく。そんな意識を持つことが大切です。
実践のためのヒント
ここまで、ブランド体験のカルチャー化とCMOの役割変化について話してきました。では、これらを実践するために、具体的に何から始めればいいのでしょうか?
a) 顧客との対話を深める
エイサーが地域の人々と共に発展してきたように、ブランドも顧客との対話を通じて進化していきます。SNSやイベントを活用して、顧客の声に耳を傾け、共に価値を創造していく姿勢が大切です。
b) 社内外のコラボレーションを促進する
エイサーの演舞が様々な要素の調和で成り立つように、マーケティングも多様な視点や技術の融合が必要です。社内の異なる部門や、外部のパートナーとの協業を積極的に進めましょう。
c) ストーリーテリングの力を磨く
エイサーが沖縄の歴史や文化を物語るように、ブランドも独自のストーリーを持つことが重要です。製品やサービスの背景にある思いや哲学を、感動的に伝える力を磨きましょう。
d) 長期的な視点を持つ
文化の形成には時間がかかります。短期的な成果にとらわれすぎず、5年後、10年後の未来を見据えたマーケティング戦略を立てることが大切です。
e) 地域性を活かす
エイサーが沖縄の特性を活かしているように、自社の地域性や独自性を活かしたマーケティングを考えましょう。グローバル化の時代だからこそ、ローカルな魅力が差別化につながります。
まとめ:伝統から学ぶ革新
いかがでしたか?電通グループのCMO調査レポートから見えてきた2つのトレンド、「ブランド体験のカルチャー化」と「CMOの役割変化」について、エイサーとの共通点を交えながらお話ししました。
マーケティングの世界は日々進化していますが、その本質は「人々の心に響き、文化を創造し、新しい価値を生み出すこと」にあります。これは、何百年も受け継がれてきたエイサーの本質とも通じるものがあるんです。
皆さんも、自社のマーケティング活動を見直してみてはいかがでしょうか?単なるブランド体験の提供にとどまらず、カルチャーを創造する。そして、管理者からイノベーションの指揮者へと自身の役割を進化させる。
これらの変化は、一朝一夕には実現できません。でも、今日から少しずつ意識を変え、行動を変えていくことで、必ず成果につながると信じています。
伝統エイサーから学べることは多いんです。文化に昇華し、人々の心に深く根付いていく。そして、時代に合わせて少しずつ進化しながらも、本質的な価値を失わない。これこそ、これからのマーケティングが目指すべき姿なのかもしれません。
最後に、このブログを読んでくださった皆さんに問いかけたいと思います。あなたの会社のブランドは、どんなカルチャーを生み出せると思いますか?そして、あなた自身は、どんなイノベーションの指揮者になりたいですか?
マーケティングの未来は、私たち一人一人の挑戦にかかっています。伝統の知恵を活かしながら、新しい時代の価値を創造していく。そんな exciting な挑戦に、一緒に取り組んでいきましょう!
皆さんのチャレンジを心から応援しています。一緒に、新しい時代のマーケティングを奏でていきましょう!頑張りましょう!