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下請け体質から脱却し、自社の技術力で顧客開拓する製造業のマーケティング戦略

Hiroki Teruya By Hiroki Teruya
下請け体質から脱却し、自社の技術力で顧客開拓する製造業のマーケティング戦略

下請け構造から抜け出し、直接顧客と取引したい製造業の経営者様へ。顧客獲得のためのウェブマーケティング戦略と、見込み客の認識・検討・意思決定の各ステージに合わせたコンテンツ戦略を解説します。

製造業経営者が抱える課題 ~下請け構造からの脱却への道~

製造業と一言で申し上げましても、実に様々なジャンルがございます。金属加工、精密機械部品製造、電子部品製造など、多岐にわたる業種があり、それぞれに独自の技術や専門性を持っていらっしゃいます。

しかし、多くの製造業の企業様が共通して抱えている課題があります。それは「下請け体質からの脱却」です。

長年、大手メーカーからの発注を受ける形で事業を継続してきた企業様が、今、変化を求めています。なぜでしょうか?

  • 受注単価の下落圧力に悩まされている
  • 技術力を正当に評価されていないと感じている
  • 海外との価格競争に苦しんでいる
  • 経営の自由度や利益率を高めたいと願っている

製造業の課題は下請け体質

こうした課題を抱えている経営者様は、ご自身で顧客開拓し、直接取引を増やしていきたいとお考えではないでしょうか。

この記事は2025年4月6日に ポッドキャストにて配信した音声をベースに作成しています。 Podcast も合わせてお聞きください。

 

製造業のウェブマーケティングに必要な視点

製造業のウェブマーケティングを成功させるためには、自社の技術力や製品をただ紹介するだけでは不十分です。最も重要なのは「お客様のジャーニーマップを理解すること」です。

お客様がどのような思考プロセスを経て、最終的にあなたの会社に依頼するに至るのか。その道筋を理解し、各段階に合わせたコンテンツを用意することが成功への鍵となります。

お客様のジャーニーマップとは?

架空の会社の例でご説明いたします。

ある電気自動車の自動運転制御システムを開発している企業のエンジニア兼調達担当者がいるとします。この方は新しい部品の素材を探しています。従来のステンレスやアルミニウムでは要件を満たせないことが分かり、より適した金属素材を探している状況です。

このお客様は、以下の3つのステージを経ていきます。

バイヤーズジャーニーは3つに分けられる

1. 認識ステージ

  • 課題を認識し、情報収集をしている段階
  • 「耐熱性に優れた金属素材」「軽量で高強度の合金」などのキーワードで検索
  • まだ具体的な解決策や素材名を知らない

2. 検討ステージ

  • 課題解決の方向性が見えてきた段階
  • 「モリブデン加工」「軟削材金属加工」など具体的なキーワードで検索
  • 複数の選択肢を比較検討し始める

3. 意思決定ステージ

  • 複数の会社から見積もりを取り、最終決定する段階
  • 技術力だけでなく、納期、品質管理体制、アフターフォローなども重視
  • 「この会社に依頼して大丈夫か?」という不安を解消したい

あなたの会社のウェブサイトは、この3つの全てのステージのお客様に対応できるコンテンツを備えているでしょうか?

製造業の経営者ペルソナとそのニーズ

では、どのような経営者が下請け体質からの脱却を目指しているのでしょうか。3つの典型的なペルソナをご紹介します。

製造業の経営者ペルソナ設定

ペルソナ1: 山田健一さん(58歳)- 金属加工業

背景:

  • 父親から引き継いだ町工場を30年経営
  • 従業員20名の中小企業
  • 大手自動車メーカー系列の下請けとして部品製造に特化
  • 技術力には自信があるが、受注単価の下落に悩んでいる

課題: 山田さんは、元請けからの単価引き下げ要求が年々厳しくなり、利益率が低下していることに危機感を抱いています。海外製造拠点との価格競争にも苦しんでいます。自社の高精度金属加工技術が正当に評価されず、経営の自由度も限られていると感じています。

ニーズ: 自社の技術力を直接アピールできるマーケティング手法を求めています。新規顧客開拓のための効果的な営業戦略、自社ブランドの確立、デジタルマーケティングの基礎知識習得が必要です。

山田さんは、こう考えていないでしょうか?「自社の技術力は確かなものなのに、なぜ適正な利益を得られないのだろう。直接取引ができれば、もっと評価されるはずだ。」

ペルソナ2: 佐藤明美さん(45歳)- 精密機械部品製造

背景:

  • 工学博士号を持ち、10年前に起業
  • 従業員15名の精密機械部品製造会社
  • 医療機器メーカーの下請けとして高精度部品を製造
  • 独自の加工技術で高品質な製品を提供

課題: 佐藤さんは、元請け1社への依存度が高く、経営リスクを感じています。高い技術力を持ちながらも市場での認知度が低く、直接販売の経験も営業人材も不足しています。製品開発に集中するあまり、マーケティングを後回しにしてきました。

ニーズ: 技術専門家向けのコミュニケーション戦略、ウェブサイトやSNSを活用した効果的な情報発信方法、展示会での効果的なプレゼンテーション手法、少ない営業リソースで最大の効果を得るための戦略が必要です。

佐藤さんは、日々こう悩んでいないでしょうか?「この独自技術をもっと広く知ってもらえればビジネスが拡大するはず。でも、どうやって技術の価値を伝えればいいのだろう?」

ペルソナ3: 鈴木哲也さん(52歳)- 電子部品製造

背景:

  • 大手電機メーカー出身のエンジニア
  • 15年前に独立し、現在従業員30名
  • 複数の大手電機メーカーの下請けとして電子部品を製造
  • 技術力と品質管理に定評があるが、利益率は低下傾向

課題: 鈴木さんは、下請け構造の中で付加価値を十分に認められていないと感じています。顧客との直接対話がなく、製品改善の提案ができません。営業部門がなく、技術者が営業も兼任している状態で、業界ネットワークも限られています。

ニーズ: 自社の技術的優位性を効果的に伝えるブランディング戦略、潜在顧客の発掘と関係構築の方法、オンライン・オフラインを組み合わせたマーケティング手法、技術者でも実践できる営業スキルの習得が必要です。

鈴木さんは、こう考えていないでしょうか?「顧客の真のニーズを理解できれば、もっと価値ある提案ができるはずだ。どうすれば直接対話の機会を作れるだろう?」

各ステージに合わせたコンテンツ戦略

これらのペルソナのお客様を獲得するためには、各ジャーニーステージに合わせたコンテンツを用意する必要があります。

ジャーニーのステージ別コンテンツ戦略

認識ステージ向けコンテンツ

このステージでは、お客様はまだ具体的な解決策を知らず、問題や課題を認識し始めた段階です。この段階のお客様に向けては:

  • 業界の課題や最新トレンドに関する情報
  • 材料の特性や技術の基本知識に関するコンテンツ
  • 「なぜ〇〇が重要なのか」という問題提起型の記事
  • 具体的な使用事例や成功事例(実名公開が難しい場合は匿名で)

例えば、「電気自動車の構造部品に求められる新たな耐久性とは」「医療機器部品における精度の重要性」などの記事が効果的です。

お客様は情報を探しています。その情報をあなたが提供することで、次のステージでもあなたの会社を覚えていてもらえるのです。

検討ステージ向けコンテンツ

このステージでは、お客様は課題解決の方向性を見つけ、具体的な選択肢を検討し始めています:

  • 具体的な技術や材料の詳細解説
  • 設備のスペック情報
  • 加工技術の詳細とその特徴
  • 他の素材や技術との比較情報
  • 「〇〇の加工における注意点」など実践的な情報

例えば、「モリブデン加工における精度確保のポイント」「高精度機械部品の製造工程と品質管理」などの具体的な記事が有効です。

ここでのポイントは、お客様が既に認識している課題に対して、具体的な解決方法を提示することです。

意思決定ステージ向けコンテンツ

このステージでは、お客様は複数の選択肢から最終決定を行おうとしています:

  • 生産体制や品質管理体制の詳細
  • 社員教育制度や技術継承の取り組み
  • 納期対応力や緊急対応の実績
  • お客様の声や事例(可能な範囲で)
  • 見積もり依頼の流れや問い合わせ方法

例えば、「当社の品質管理体制」「プロジェクト進行の流れと納期への取り組み」などの情報が重要です。

この段階では、お客様の不安を解消し、「この会社に任せても大丈夫」と思ってもらうことが鍵となります。若手技術者の育成状況や最新設備の導入など、会社の将来性や安定性を示す情報も効果的です。

売り込まずに引き寄せる-コンテンツマーケティングの力-

これまでご説明してきたアプローチは「コンテンツマーケティング」と呼ばれるものです。従来の「売り込む」マーケティングではなく、価値ある情報を提供することで「引き寄せる」マーケティングです。

コンテンツマーケティングとは?

特に製造業の場合、自社製品がなく、受託製造が中心であることが多いため、従来型のウェブマーケティングが難しいと感じられる方も多いでしょう。しかし、それこそがコンテンツマーケティングが有効な理由なのです。

お客様は常に、技術的な問題、材料的な問題、様々な課題の解決策を探しています。その解決策としてあなたの会社の技術やサービスを知ってもらうことで、時間をかけて信頼関係を築き、最終的には依頼につながるのです。

自社の強みを活かしたマーケティング戦略の構築へ

製造業における下請け体質からの脱却は、一朝一夕で実現するものではありません。しかし、お客様のジャーニーマップを理解し、各ステージに合わせたコンテンツを用意することで、着実に直接取引の機会を増やしていくことは可能です。

山田さん、佐藤さん、鈴木さんのような経営者の皆様は、自社の技術力や専門性に自信をお持ちのはずです。その強みを活かしたウェブマーケティング戦略を構築することで、新たな顧客との関係構築を実現していきましょう。

そのためには、まず自社のウェブサイトが「認識ステージ」「検討ステージ」「意思決定ステージ」、全てのお客様に対応できる情報を備えているかを見直してみてはいかがでしょうか?

あなたの会社の強みを最大限に活かし、新たな顧客との直接取引を実現するウェブマーケティング戦略づくりのお手伝いをさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。

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