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デジタルセールスを成功させるには?

Hiroki Teruya By Hiroki Teruya
デジタルセールスを成功させるには?

デジタルセールスってご存知ですか?デジタルセールスって何なのか?なぜ、必要なのかを考えてみたいと思います。

この記事はポッドキャストの配信音声をテキスト化したものです。音声による解説はこちらからお聴きください。

<目次>
・デジタルセールスとは?
・デジタルセールスとデジタルマーケティングの違いは何か?
・なぜ、今デジタルセールスが必要なのか?
・BtoBにおけるデジタルセールスの海外動向
・デジタルセールスを成功させるにはCRMが重要

デジタルセールスとは?

デジタルセールスとは、インターネットや他のデジタル手段を使ってお客様とつながる方法です。このプロセスでは、ウェブサイトやソーシャルメディアなどのデジタルチャネルを使って、新しいお客様を見つけて興味を持っていただき、見込み客と繋がります。

目的は、オンラインで強い関係を築き、そのつながりを、実際のセールスの機会に変えることです。つまり、インターネット上で始まった会話や関係を実際のビジネスの取引につなげることを意味します。

デジタルセールスとデジタルマーケティングの違いは何か?

デジタルセールスとデジタルマーケティングの違いは、従来のセールスとマーケティングの違いに似ています。パーソナライゼーションの度合い、タイムライン、そして目的が主な違いです。

中小企業において、デジタルマーケティングではスムーズなコミュニケーションが可能ですが、デジタルセールスはまだ発展途上です。営業担当者は対面での営業に重点を置きがちで、「顔を合わせれば解決する」と考えることが多いです。

しかし、情熱や個人的な魅力に頼るだけでは不十分で、デジタル時代の営業ではより戦略的なアプローチが必要です。実際、デジタルツールの効果的な活用はセールスプロセスを大きく変える可能性を秘めています。

組織的なアプローチ

営業活動においては、個人の情熱や魅力に頼ることで契約を取り付ける手法もあるものの、そのようなアプローチはリスクが伴うことを理解しておくべきです。一見、熱心さが成功をもたらすかのように思えますが、後々「それは不可能です」と言わざるを得ない状況になることもあります。

これは、営業担当が契約することをゴールとした場合、契約後、サービスを提供する際に起きがちなことです。例えば「絶対集客できます!」と営業が営業トークと人柄でWEBサイト制作の案件を受注した際にありがちです。制作の段階で現実的に制作を進行するディレクターと顧客との間で期待値のズレによりトラブルになるケースも多々あります。

したがって、組織的かつ戦略的なアプローチを採用することをおすすめします。具体的には、デジタルセールスの手法を取り入れるべきです。これはオンラインとデジタルツールを利用した営業活動であり、デジタルマーケティングが見込み客を集めるのに対し、デジタルセールスは実際の販売契約に結び付けることに焦点を当てています。

デジタルセールスとデジタルマーケティングをシームレスに繋ぐのが、CRM(顧客関係マネジメント)です。
マーケティング活動で獲得したリードの情報を営業担当にパスをすることにより、営業は受注率を高めることができ、契約後、サービスを提供する段階に入った際に、サービス担当者に営業担当が顧客とやりとりした情報を共有できれば、顧客とのトラブルを回避するだけでなく、顧客満足度向上に繋がります。

なぜ、今デジタルセールスが必要なのか?

デジタルセールスの重要性は、特にBtoBビジネスにおいて顧客と企業の両方の観点から考慮する必要があります。

<顧客目線>
前提:忙しい
・時間を取られたくない
・コストをかけたくない
・失敗したくない

<企業の営業担当目線>
前提:早く契約したい
・無駄な商談はしたくない
・商談機会を増やしたい
・契約まで時間やお金をかけたくない

顧客目線

顧客目線では、多忙な日常とコスト、失敗を避けたいというニーズがあります。たとえば、DXに関するセミナーに触発された経営者がCRM導入を決定し、忙しい中で担当者がオンラインでCRMに関する情報を検索し、資料請求をするケースがあります。

このプロセスは、デジタルセールスが顧客の時間とコストを節約し、適切な情報を提供することで、ビジネスの効率化と成功の確率を高めることを示しています。デジタルセールスは、顧客のニーズに迅速かつ柔軟に応えるための重要な手段となります。

顧客がCRMに関する資料を請求すると、その後の営業プロセスが始まります。CRM会社からの連絡に続き、Zoomを使った商談がセットアップされるのが一般的です。このプロセスは、多くの場合デジタルツールを活用し、リモートで完結します。

一方で、沖縄県内の企業や地方の企業では、伝統的な方法、例えば電話やメールを通じたやり取りがまだ主流です。問い合わせ後、通常は2日ほどで返信があり、その後日程調整をして実際の打ち合わせのアポイントメントが取られます。この一連のプロセスは、デジタルセールスと従来の営業方法の違いを示し、顧客のニーズに応じた柔軟なアプローチの必要性を浮き彫りにしています。

対面での営業において、営業マンから提供される情報がインターネット検索で得られるものと同じ場合、担当者は「ネットで十分」と感じることがあります。

しかし、対面での会話によって新たな情報を得たり、企業が直面する特定の課題に対する解決策を提供できたりする場合、対面営業には確かなメリットが存在します。

つまり、対面での営業活動は、単なる情報提供を超えた価値を顧客に提供できるかどうかが鍵となります。この観点から、デジタルセールスと対面営業のバランスを取りながら、顧客のニーズに合わせたアプローチを考えることが重要です。

営業担当目線

企業の営業担当者の視点から見ると、効率的な営業活動が重要です。第一に、時間と資源を無駄にしないために、見込み度合いの低い案件は避けたいと考えます。営業担当者には数字のノルマがあるため、限られた営業日数の中で目標を達成する必要があります。そのため、無駄な時間をかけることは避けたいという考えが強いです。

また、営業担当者は商談の機会を増やすことを望んでいます。特に見込みの高い案件にフォーカスし、潜在的な商談の「分母」を増やすことで、成功の確率を高めることが重要となります。このプロセスには、適切なリードの特定と効率的なアプローチが求められ、デジタルツールの活用が有効です。デジタルセールスは、ターゲットとなる顧客を効率的に識別し、時間とリソースを最適化することによって、営業担当者のノルマ達成に貢献する重要な役割を果たします。

営業活動における「分母」、つまり成約率は、商談機会が増えるほど高まると一般に考えられます。そのため、営業担当者はできるだけ多くの商談機会を創出したいと考えます。

デジタルセールスがもたらすメリット

また、契約獲得までの時間と費用を最小限に抑えることも重要です。特に、沖縄のような地域では、東京など他地域の企業との取引には飛行機代や宿泊費、移動時間などのコストがかかります。例えば、契約に至らなかった場合、交通費や人件費だけで数万円のコストが発生することもあります。

しかし、デジタルセールス、特にオンラインでの商談を活用することで、これらのコストを削減し、効率的に契約を獲得することが可能になります。オンライン商談は地理的な制約を超え、時間と費用の節約に直結するため、デジタル化が進む現代の営業戦略において重要な役割を果たしています。このように、デジタルセールスは営業プロセスの最適化とコスト削減を実現し、営業担当者にとって有効な戦略となります。

デジタルセールスの実践は、地理的な制約を超えたビジネス機会を提供します。たとえば、沖縄のような人口140万人の小さな島にいながらも、デジタルセールスを活用すれば、県外や海外の企業ともオンラインで商談し、契約を結ぶことが可能です。

実際に、私たちの会社でも東京の企業との契約を、対面せずにオンライン商談で成功させています。これにより、離島でも国内外の市場にアクセスし、新しいビジネスの可能性を広げることができます。

デジタルセールスの進展は、BtoBのビジネス環境においても重要な変化をもたらし、2023年のセールス動向に大きな影響を与えていると考えられます。このような最新のデータや動向を把握することは、今後のビジネス戦略を立てる上で非常に価値があります。

BtoBにおけるデジタルセールスの海外動向

BtoBビジネスにおいて、AIの導入は非常に重要なトレンドとなっています。実際、海外のBtoB企業の約70%が営業戦略にAIを取り入れています。これにより、顧客のニーズに合わせたパーソナライズされたアプローチや効率的なデータ分析が可能になっています。
出典 Gitnux

日本の企業ではこの比率がどの程度かは不明ですが、グローバルな動向を見ると、AIの導入は営業戦略において急速に進んでいます。

また、74%の企業がカスタム動画を用いた営業活動で成功を収めています。これには製品のデモンストレーション、オンボーディング、アップセリングなどが含まれます。カスタム録画動画は顧客へのより直接的かつパーソナライズされたコミュニケーションを可能にし、営業効率を高めています。
出典 Vidyard

さらに、短い動画も営業戦略において重要な役割を果たしており、予定された見込み客とのミーティングにおいて64%の貢献があったとされています。これらのトレンドは、デジタルツールとコンテンツがどのようにBtoB営業戦略を変革しているかを示しており、今後のビジネス戦略の参考になるでしょう。
出典 B2B Decision Labs

BtoBのeコマース分野では、売上の約17%がオンラインでの取引から生じているというアメリカの事例がフォレスター社のレポートで報告されています。このセグメントは2023年までに8兆ドルに達し、米国の全BtoB売上の17%を占めると予測されています。今後5年間で年間平均成長率10%が見込まれています。
出典 Forrester

デジタルセールスを成功させるにはCRMが重要

このようなBtoBのトレンドを踏まえ、デジタルセールスの重要性が増しています。デジタルセールスに成功するためには、CRMのような顧客データベースの活用が不可欠です。

これにより、顧客や見込み客に合わせたパーソナライズされたコミュニケーションを実施できます。特にAIの進化により、人間が直接行わなくても、動画やチャットを通じた効果的なコミュニケーションが可能になっています。

また、顧客のニーズや行動履歴を把握するためにはCRMの活用が必要です。ただし、顧客データベースだけでは不十分で、見込み客を集めるためにはマーケティング活動が重要となり、その核となるのがコンテンツの提供です。


デジタルセールスを成功させるためには、マーケティング活動を通じてリード(見込み客)を獲得し、それを営業にパスするプロセスが重要です。ブログ、ウェブサイト、SNS、広告、メールマガジンなど、様々なチャネルを利用して見込み客を集めることができます。

マーケティング活動で得たリードを営業に引き渡した後、デジタルセールスのプロセスが始まります。

私たちのアプローチはビデオセールスです。顧客のニーズに合わせた動画コンテンツを作成し、それをパーソナライズされた方法で配信します。ホットリードに対しては、Zoomを使用した一対一の双方向コミュニケーションをセットアップし、顧客の疑問や不安を解消し、契約に至る流れを作ります。

デジタルセールスの本質は、伝統的な対面営業と異なり、デジタルツールを活用して、顧客との関係を構築し、ニーズに合った解決策を提供することです。マーケティングとは異なり、デジタルセールスは見込み客との直接的な関係構築と契約成立に焦点を当てています。この違いを理解し、適切な戦略を用いることがデジタルセールスの成功には不可欠です。

なぜ現代においてデジタルセールスが必要かについての考え方をお伝えしました。デジタルツールの活用により、伝統的な営業方法を超えた効率的かつ効果的な顧客エンゲージメントが可能になり、ビジネスの拡大に貢献します。

次回は、このデジタルセールスを実際にどのように導入するか、具体的なプロセスについて深く掘り下げて話を進めたいと思います。デジタルセールスの導入プロセスを理解することで、その効果を最大限に活用し、ビジネス成果を向上させるための洞察を得ることができます。

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