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観光DX戦略とインバウンドマーケティングの成功事例

Hiroki Teruya By Hiroki Teruya
観光DX戦略とインバウンドマーケティングの成功事例

地方観光のデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略におけるインバウンドマーケティングの重要性について、実際の成功事例を交えてお話しします。

このブログ記事はSpotifyのポッドキャストで配信した内容を記事化したものです。ポッドキャスト、音声による解説をお聞きしたい方はこちらのポッドキャストをお聞きください。

ポッドキャストは、Spotify、ApplePodcastでお聞きできます。

 

地方観光の課題

私が住んでいるうるま市は、沖縄県に位置し、観光でよく知られる宮古島や石垣島、恩納村などと比べると知名度は低めです。うるま市は那覇空港から車で約45分から1時間の距離にあり、沖縄市や恩納村の隣に位置しています。

観光スポットとしては、海中道路や世界遺産の勝連城跡、宮城島の果報バンタなどがあり、四つの離島が橋で繋がっている魅力的な地域です。自然豊かで古民家が残るこの地域は、観光地としてのポテンシャルを秘めています。

しかし、うるま市はまだ十分に知られていない「素通り観光地」とされ、訪れる人々はしばしば車で短時間滞在するだけです。それでも、近年うるま市の認知度は着実に上がってきています。私たちの会社も、この地域の観光振興に貢献していると自負しています。

地方観光はインバウンドマーケティングが鍵

地方における観光DXについて考えると、私はインバウンドマーケティングが鍵だと考えます。インバウンドマーケティングとは、積極的な売り込みではなく、引き寄せるタイプのマーケティングです。これは、アウトバウンドマーケティング(積極的な営業活動)と対照的です。例えば、旅行会社への働きかけや展示会への出展などがアウトバウンドの例です。

2023年7月7日、経済産業省主催のDXセミナー(中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き)で、沖縄で活躍するDX関連の企業として、私たちBrandBuddyzと沖縄銀行さんが登壇しましたので、その時に共有した内容を紹介したいと思います。

結論から言いますと、私たちは、フリー素材集を作成しました。これが非常に大成功を収めています。実は、沖縄に関連するフリー素材を公開している公的な機関はほとんどありません。私たちのクライアントである、うるま市観光物産協会様は、うるま市の観光に関連する情報発信や様々な事業を行っています。その一環で運営しているWEBサイトがあり、フリー素材集をWEBサイト上に作成しました。

皆さんも、時間があればGoogleで「沖縄無料動画」や「沖縄フリー素材動画」と検索してみてください。私たちが作成したWEBサイトが検索結果に上位に表示されます。

公開している素材には、海中道路をドローンで撮影した動画や、沖縄の古民家、ビーチやサトウキビ畑、勝連城跡の画像があります。海の景色だけでなく、山や自然の風景も含めた本当に多様なフリー素材を提供しています。

この素材集は日々ダウンロードされており、非常に人気があります。

このフリー素材集は特にテレビ局や番組制作会社など、メディア関連の業界から非常に高い関心を集めています。実際、このフリー素材は最近、私が個人的に好きな全国放送の旅番組からもダウンロードされました。番組名は伏せますが、多くの全国ネットのテレビ番組が当サイトの素材を使用しています。

ここで少し、フリー素材の運営とメディアの両観点から、この成功の秘密を掘り下げてみたいと思います。

運営側のメリット

まず運営側から見ると、過去にはメディアからの問い合わせに対応するために、電話やメールでのやり取りが必要でした。例えば、海中道路の動画や写真素材の問い合わせがあると、事務局は関係者に連絡を取り、必要な素材を提供していました。しかし、今はメディア関係者が自分で当サイトを検索し、必要な素材をダウンロードできるようになり、運営側の手間が大幅に削減されました。

観光DX戦略による業務効率化

マーケティングの観点からは、以前はアウトバウンド、つまり売り込みでメディアに取り上げてもらうよう働きかけていました。全国放送のテレビ局に使用してもらうためには相応のコストがかかります。

しかし、今ではメディア側から積極的に当サイトの素材を利用してもらえるようになり、メディアへの露出が自然と増えています。このように、フリー素材集はメディアにとっても非常に便利なリソースとなり、その結果、私たちのマーケティング戦略にも大きく貢献しているのです。

マーケティングコストが実質ゼロになったことは、非常に大きな利点です。フリー素材集の提供により、私たちは大きな経済的節約を実現しました。

メディア側のメリット

通常、番組制作スタッフやテレビ局は、特定の場所での撮影を行うために、カメラマンやディレクターを現地に派遣する必要があります。このような撮影には、宿泊費や交通費、食事代など、多額の経費がかかります。特に沖縄のような場所では、これらのコストはさらに高くなりがちです。

しかし、フリー素材集のおかげで、これらの番組制作関係者はわざわざ現地に行かずとも必要な映像や写真を簡単に入手できるようになりました。これにより、彼らの制作コストが大幅に削減される一方で、私たちのコンテンツがより広く使用される機会が増えています。このように、フリー素材集はメディア制作のプロセスを効率化し、コストを削減する有効な手段となっているのです。

観光DX戦略によるマスメディアの活用

フリー素材を使用することにより、経費がかからないため、番組制作会社にとっては利益率が高くなります。実質的に制作コストが削減されるので、節約された分は番組制作会社の粗利に直結します。

これはあくまで私の仮説ですが、フリー素材の利用が番組制作における大きな理由の一つであると考えられます。制作コストがかからないため、番組制作会社はより多くのコンテンツを特集することができ、特に経費を気にせずに様々なテーマを取り上げることが可能になります。これにより、彼らの番組の質や多様性が向上し、視聴者に新しい体験を提供できるようになるのです。

つまり、フリー素材の提供が番組制作会社にとって非常に魅力的なオプションとなり、結果として私たちのコンテンツがより頻繁に取り上げられる可能性が高くなるわけです。これはメディア業界における資源の有効活用として、非常にポジティブな影響をもたらしていると言えるでしょう。

経費がかからないフリー素材を基に番組を制作するというアプローチが、現在のメディア業界において一般的になってきている可能性があります。最近放送された番組を見ると、その傾向がはっきりと見て取れます。これらの番組では、提供されたフリー素材を活用し、それを基にナレーションの原稿が作成されています。

この方法により、制作側は映像素材の収集に関する時間やコストを大幅に削減できます。その結果、番組の制作プロセスが簡素化され、効率的かつ経済的になります。また、質の高いフリー素材を使用することで、番組の内容がより豊かに、視聴者にとって魅力的なものになる可能性があります。

このような動きは、番組制作における新しいトレンドを示しており、メディア業界にとって重要な進化と言えるでしょう。フリー素材を用いた番組制作は、コスト削減だけでなく、クリエイティブな内容を生み出す上でも大きな利点があると考えられます。

メディア側の視点から考えると、フリー素材の利用には大きなメリットがあると感じています。以前の番組制作オペレーションでは、ディレクターなどが必要な素材を探すために多大な労力を費やし、観光関連の団体に問い合わせを行ったり、現地に出張して撮影依頼をすることが一般的でした。これらの作業は、人的資源と時間の両方において大きなコストを要していました。

しかし現在では、必要な素材をオンラインで簡単に検索し、ダウンロードすることができます。これにより、撮影や調査に関わる時間や費用が大幅に削減されています。制作コストに関しても、かつては人件費や外注費、旅費や交通費など様々な費用がかかっていましたが、これらのコストがほぼゼロになっているのです。結果として、制作に関連するコストが削減され、利益が上昇していると考えられます。

このように、フリー素材の活用はメディア業界にとって大きな変革をもたらし、効率的かつ経済的な制作プロセスを実現しています。このトレンドは、制作業界において新しい標準となりつつあり、コスト削減だけでなくクオリティの向上にも貢献していると言えるでしょう。

先程の話では、単にポータルサイトを作成し、フリー素材を提供することで終わると思われがちですが、私たちは実際にデジタルトランスフォーメーション(DX)を実践しています。具体的には、背後でHubSpotを使用しています。HubSpotの導入により、誰がどの経由で素材をダウンロードしたか、またどのページをどこまで閲覧しているかを把握することができます。

フリー素材集は、単なるコンテンツ提供にとどまらず、インバウンドマーケティングの一環として引き寄せる役割を果たしています。さらに、訪問者のデータを蓄積し、データベースとして活用しています。これにより、人々が何に興味を持っているかが明確になります。

この知見をもとに、次の戦略を考えることができます。例えば、特定の興味に基づいて新しい観光企画を立てたり、ニーズに合ったツアー商品を開発したりすることができます。これは単なる推測に頼るのではなく、収集したデータに基づいて次の一手を考えることを意味します。このようにデータを活用することで、より効果的で効率的なマーケティング戦略を展開することが可能になるのです。

私たちは、観光DX戦略の一環として、データベースを蓄積しており、そのデータは着実に増え続けています。私の考えでは、地方における観光DXの最初のステップは、単にインバウンドマーケティングを行うだけではなく、収集したデータを基に次の戦略を練ることです。これにより、より効果的な観光促進が可能になります。

特に、沖縄を含む全国の地方自治体に関連する組織で、HubSpotを用いてデータを基にした取り組みを行っている例はまだ珍しいと思います。私たちはこのアプローチを総務省のセミナーで紹介し、他の地域にも共有しました。これは、地方自治体における観光DXのモデルケースとして参考になるでしょう。

もしテレビでうるま市に関連する番組が放送されたら、私たちが話していたこのアプローチが実践されている例として、ぜひ注目してみてください。他の地域の関係者も、どのように観光DXを進めるべきかを考える際に、私たちの例を参考にすると良いでしょう。

データを活用することで、より効率的で効果的な観光促進策を考えることが可能になります。

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