「仕事や商談で、初対面の人とすぐに打ち解けて、信頼関係を築きたい。でも、どうすればいいのかわからない…」
もしあなたがそう感じているなら、この記事はきっと役に立つはずです。
人見知りだった私が、試行錯誤の末にたどり着いた**「共感力」**という名のコミュニケーション術。
相手の**「心の声」**を言語化することで、まるで魔法のように人間関係がスムーズに進む、その具体的な方法を、私の経験と脳科学・心理学の知識を交えながら、余すことなくお伝えします。
🔻こんな方におすすめ
- 提案やプレゼンがなかなか刺さらない
- 初対面の人と打ち解けられない
- 共感力を高めて信頼されたい
- 営業成績を上げたい、クロージング力を強化したい
- 採用・面接で応募者の本音を引き出したい
この記事は2025年3月26日に ポッドキャストにて配信した音声をベースに作成しています。ポッドキャストも合わせてお聞きください。
1. はじめに:「それ、私が言いたかったこと!」が最強の共感ワード
「仕事、商談、打ち合わせ、初対面の人…。仲良くなりたい、信用していただきたい。でも、なんかうまくいかないんだよね…」
あなたも、こんな経験ありませんか?
実は、かつての私もそうでした。どちらかというと人見知りで、初対面の人には自分から話しかけるのが苦手。仕事の場では割り切って話せるのですが、プライベート、例えば子供たちの部活の父母会やPTAの行事などでの雑談は、本当に苦痛でした。「何を話せばいいんだろう…」と、いつも恥ずかしい思いをしていました。
だからこそ、私は人並み以上に**「どうすれば人とスムーズにコミュニケーションが取れるのか」**について、真剣に考え、もがいてきました。
そして、多くの試行錯誤の末にたどり着いたのが、**「それ、私が言いたかったこと!」**という言葉の持つ、圧倒的な力です。
新しくお客様と契約を結ぶ際、高い確率で契約を取ってくる営業マンは、例外なくこの言葉を引き出すのが上手いのです。
お客様やクライアントに「そうそう!それ、私が言いたかったこと!」と言わせることができれば、もうこっちのものです。
人は、自分の言いたかったこと、心のモヤモヤを代弁してくれる人に、心を許します。まるで心の奥に溜まっていたものが晴れるように、スッキリするからです。
この**「刺さる共感ワード」**を生み出すことができれば、対面でのコミュニケーションだけでなく、企画書や提案書、キャッチコピー、ウェブサイトの文章など、あらゆる場面で効果を発揮します。
「この人は私のことを分かってくれている」と思ってもらえるので、信頼感がアップし、問い合わせが増えたり、採用サイトへのエントリーが増えたりするのです。
これは、決して感覚的なものではありません。脳科学と心理学に基づいた、明確な理由と理論があるのです。
この記事では、私が経験から学んだ**「共感力」**の秘密と、誰でも実践できる具体的なテクニックを、余すことなくあなたにお伝えします。
2. なぜ共感が重要なのか?:脳科学と心理学が示す共感の力
そもそも、なぜ共感がそんなに大切なのでしょうか?
それは、人が**「自分のことを分かってくれる人に安心感を抱く」**生き物だからです。
ビジネスでもプライベートでも、これは共通しています。
脳科学的に言うと、私たちの脳には**「ミラーニューロン」**という神経細胞があります。ミラーニューロンは、相手の感情や言葉、動きを見ると、まるで自分も同じように感じているかのように共鳴する働きをします。
以前のポッドキャストでもお話ししたことがありますが、私は営業をする際、「ミラーリング」というテクニックをよく使います。ミラーリングとは、相手の動きや話し方を鏡のように真似ることで、無意識のうちに親近感や信頼感を与える方法です。
早口の人には早口で、ゆっくり話す人にはゆっくりと。相手の呼吸やリズムに合わせて、こちらも同じように話したり、相手のジェスチャーに合わせて、こちらも少し大げさにジェスチャーをしたり…。
これは、意識的にやっていた時期もありましたが、今はほとんど無意識です。なぜなら、ミラーニューロンの働きによって、自然と相手に合わせた言動を取るようになっているからだと思います。
心理学では、この現象を**「ラポール形成」**と呼びます。ラポールとは、心と心が通い合う、開かれた状態のこと。
営業の現場では、「ラポールを形成できたか?」などと、よく上司に言われたものです。
私は、営業、打ち合わせ、採用面接など、あらゆる場面で**「I・A・H・P・C」**というプロセスを意識しています。これは、ソリューション営業の基本的な流れで、
- I:アイスブレイク(緊張をほぐす)
- A:アプローチ(自己開示)
- H:ヒアリング(相手のことを深く聞く)
- P:プレゼンテーション
- C:クロージング
の頭文字を取ったものです。
このプロセスを意識することで、自然とラポールを形成しやすくなるのです。
つまり、共感とは、ミラーニューロンの働きによって相手との間に心の繋がりを作り、ラポールを形成するための、非常に効果的な手段なのです。
3. 「刺さる共感ワード」を生み出す3つのステップ
では、具体的にどうすれば、相手の心に刺さる共感ワードを生み出すことができるのでしょうか?
ポイントは、次の3つです。
- 相手の本音を見つける
- 心の声を先に言ってあげる
- 自分の経験を少しだけシェアする
ステップ1:相手の本音を見つける
これが、最も重要なステップです。相手が言葉にしていることの裏に、どんな感情があるのかを探るのです。
例えば、あなたが何か提案をしたとき、相手が「ちょっと検討させてください」と言ったとします。
この「検討させてください」という言葉の裏には、一体どんな本音が隠されているのでしょうか?
- 「この提案、本当に大丈夫かな?不安だな…」
- 「この金額、本当に支払えるのかな…」
- 「言っていることは分かるけど、本当に結果が出るのかな…」
- 「うちの会社で、本当にできるのかな…誰がやるんだろう…忙しいしな…」
- 「過去に同じような提案を受けたけど、結果が出なかったしな…」
など、様々な気持ちが考えられます。
相手の表情や声のトーン、言葉の裏に隠された感情を丁寧に読み解くことが、共感ワードを生み出すための第一歩となります。
ステップ2:心の声を先に言ってあげる
相手がまだ言葉にしていない**「心の声」**を、こちらから先に言ってあげる。これは、非常に効果的なテクニックです。
例えば、あなたが相手に「〇〇をした方がいい」と分かっていることを伝えたいとします。
そんな時、
「〇〇をした方がいいのは分かっているんですよね。でも、忙しくてなかなか手が回らない…そんな感じじゃないですか?」
と、相手が言い淀んでいることを代弁してあげるのです。
すると、相手は「えっ、なんで分かるんですか!?」と驚き、あなたの言葉に強く引き込まれます。
営業の現場でよく使う例としては、お客様の成功事例を紹介する際です。
事例を紹介する相手が、
- 「どうせ、うちの会社とは規模が違うんでしょ…」
- 「本当にこの事例のようにうまくいくのかな…」
などと、疑いや不信感を抱いている場合、
「〇〇様も、この事例のお客様と同じように、最初は『本当にうちの会社でもできるのかな…』と不安に思われていたんですよね。でも…」
と、相手の心の声を代弁するように事例を紹介するのです。
こうすることで、事例がまるで自分のことのように感じられ、相手はあなたの話に前のめりになってくれるはずです。
ステップ3:自分の経験を少しだけシェアする
自分の**「体験談」や「失敗談」**を少しだけシェアすることも、相手との距離を縮める上で非常に効果的です。
例えば、あなたがテレアポでなかなかアポイントが取れず、苦しい思いをしていた時期があったとします。
「実は、私も以前、〇〇さんのようにテレアポで全く成果が出ず、『お前は期待外れだ』と上司に言われたことがあったんです。毎日、先輩のテレアポトークを録音したものを聞きながら、必死に練習していました…」
と、自分の情けない過去をさらけ出すことで、相手は「この人も同じように悩んでいたんだ…」と共感し、あなたに親近感を抱いてくれるでしょう。
人は、自分と似たような経験を持つ人に心を開きやすいものです。
自分のストーリーを語ることで、相手の心に寄り添い、より深いレベルでの共感を生み出すことができるのです。
4. 即使える!共感フレーズ集
ここまでお読みいただき、「共感ワードの作り方は分かったけど、いざという時に気の利いた言葉が出てくるか不安…」と感じている方もいるかもしれません。
ご安心ください。
ここからは、様々な場面で即使える**「共感フレーズ」**を、具体的な例文とともにご紹介します。これらのフレーズを丸暗記して、あなたの言葉として使いこなせるように練習してみてください。
不安系
相手が不安を感じている時に、そっと寄り添う言葉です。
- 「やらなきゃいけないって思ってるんですよね。でも、失敗したらどうしよう…って気持ち、すごく分かります。」
- 「やること自体は分かっているんですよね。でも、なかなか行動に移せない時って、ありますよね。」
忙しさ系
相手が忙しくて余裕がない状況に、共感を示す言葉です。
- 「毎日の業務が本当に忙しくて、気づいたら1ヶ月経ってる…なんてこと、ありますよね。」
- 「手をつけたい気持ちはあるんですけど、今は時間的な余裕がなくて…そんな感じでしょうか?」
- 「〇〇をやらなきゃいけないと分かってはいるんですけど、ついつい後回しにしてしまって…。本当にダメですよね、私もよくやるんです。」
決断系
相手が一歩踏み出せずにいる時に、背中をそっと押す言葉です。
- 「あと一歩踏み出したいんだけど、どうしても不安がよぎっちゃうんですよね…。」
- 「やった方がいいのは分かっているんだけど、なかなか勇気が出ない時って、ありますよね。」
- 「〇〇したい気持ちはあるんですけど、〇〇がネックになって、なかなか決断できなくて…。私も経験あるので、お気持ちすごく分かります。」
孤独・共鳴系
相手が孤独を感じている時に、「あなただけじゃない」と伝える言葉です。
- 「周りに同じような悩みを抱えている人がいないと、『自分だけなのかな…』と思っちゃいますよね。」
- 「それって、意外とみんな悩んでいることなんですよね。でも、なかなか表に出さないから、自分だけが抱えているように感じてしまうだけで…。」
- 「〇〇さんだけじゃないですよ。私も同じようなことで悩んでいましたし、多くの経営者の方も、同じような悩みを抱えています。一人で抱え込まずに、いつでも私に話してくださいね。」
5. まとめ:共感力を武器に、あなたもコミュニケーションの達人に
共感は、信頼関係を築くための**「入り口」**です。
相手の本音を探り、心の声を代弁する言葉を贈る。そして、自分の経験を少しだけシェアすることで、相手との距離は一気に縮まります。
今回ご紹介した共感フレーズを、ぜひあなたの言葉に置き換えて、積極的に使ってみてください。
最初はぎこちなくても、繰り返し使ううちに、自然とあなたの**「口癖」**になっていくはずです。
そして、相手の表情や言葉から「何か不安そうだな…」「忙しくて困っているのかな…」と感じ取ったら、今回ご紹介した共感フレーズを**「咄嗟の一言」**としてプレゼントしてみてください。
あなたの言葉が、相手の心に温かい光を灯し、二人の間に確かな信頼関係を築いてくれるはずです。
さあ、今日からあなたも**「共感力」**という名の強力な武器を身につけ、素晴らしい人間関係を築いていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。