差別化が難しい時代に選ばれる会社になるには?この記事では、ペルソナ設計・課題の明確化・導き手としての立ち位置という3つのステップでストーリー戦略を解説します。
現代は、良い商品や便利なサービスが市場にあふれる時代です。
性能が良くて、価格もそこそこ。でも選ばれない。
「うちの商品はちゃんと価値があるのに、なぜ売れないんだろう?」
そんな悩みを抱えている経営者やマーケターは少なくありません。
実際、僕自身も「どうやって差別化すればいいのか?」と悩み続けてきました。
でも最近、こう確信しています。
選ばれる理由は、“スペック”ではなく“ストーリー”だ。
「あなたの商品が欲しい」のではなく、「あなたから買いたい」と思ってもらうためには、顧客の心に響くストーリーが必要なんです。
この記事は2025年5月17日にポッドキャストにて配信した音声を元に作成しています。 ポッドキャストも合わせてお聞きください。
ストーリーを作るには、次の3つのステップが有効です。
まず、物語の主人公を決めましょう。
ここでいう“主人公”とは、あなた自身やあなたの会社ではなく、お客さんです。
たとえば「マイホームがほしい」と願う40代の子育て世代・大城さん。
このように具体的な人物像(=ペルソナ)を設定し、その人が何を求めているのか、どんな夢や目標を持っているのかを丁寧に描き出します。
このプロセスが、ストーリーの起点になります。
物語には、必ず「主人公の夢を妨げるもの=悪役」が登場します。
これを明確にすることで、共感と緊張感が生まれます。
“悪”は、次の3つに分類できます。
たとえば大城さんの例では、4,000万円を超える新築は手が届かないという外的課題に加えて、「家を買う意味ってあるの?」という世の中の風潮との葛藤もあります。
このように、“悪”を言語化することで、顧客の悩みにより深く寄り添うストーリーが描けます。
そして、最後に登場するのが“導き手”。それが、あなたの会社やあなた自身です。
ここで重要なのは、あくまで「主人公を助けるガイド役」に徹すること。
スター・ウォーズでいえばオビ=ワンやヨーダのような存在。
ベストキッドでいえば空手の先生ですね。
顧客に対して「我々が全部やりますよ」と言うのではなく、
「あなたの夢を叶えるために一緒に歩みます」というスタンスで寄り添うことが大切です。
たとえば、中古住宅を購入しDIYでリフォームする提案。
プロが最低限のサポートを行い、あとは家族でDIYを楽しみながら理想の暮らしをつくっていく——
それこそが、顧客にとって“ストーリーのある選択肢”になるのです。
ここで、実際のストーリー設計を例にとってみましょう。
主人公:大城さん
40代の会社員。3人の子どもと奥さんと暮らす。釣りとバーベキューが趣味。
夢は「庭付きの一軒家を持ち、週末は家族や友人と楽しく過ごすこと」。
悪役(障害)
導き手(あなた)
あなたの会社は、中古住宅+DIYリフォームの伴走支援会社。
例えばこう伝えます。
「大城さんの理想は、新築でしか叶わないわけではありません。
私たちは鉄筋コンクリート住宅を活かした中古物件に、必要な部分だけリフォームするプランをご提案します。
大事なところはプロが担当し、あとはDIYでご家族の思い出にしながら住まいをつくっていきましょう。」
このようにして、大城さんにとっての“ヒーローズ・ジャーニー”が完成するのです。
モノではなく、「人」や「物語」が選ばれる時代。
どんなにいい商品を作っても、それだけでは選ばれない。
でも、お客さんの物語の中で、あなたが「導き手」として登場すれば、商品ではなく“あなた自身”が選ばれるようになります。
だからこそ、次の3ステップを忘れないでください。
あなたの会社の強みや商品が、ただのスペックではなく、“誰かの夢を叶える物語”になるように。
ぜひ今日から、自社のWebサイト・チラシ・営業トークにこの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ストーリーブランド戦略を活用したWebサイトリニューアルのご相談はお気軽に。