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人を動かすプロセスは「情報→反応→行動」

作成者: Hiroki Teruya|24/06/17 21:21

こんにちは、照屋です。今日は「人を動かすプロセスは情報→反応→行動」というテーマでお話しします。このテーマは特にマーケターにとって非常に重要ですよね。人々がどのように情報を受け取り、それに反応し、最終的に行動を起こすのかを理解することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

2012年にWeb のコンサル会社で新規開拓の営業をテレアポでやっていました。アポが全く入らなかった時、使っていたトークスクリプトは私の第一声が「お世話になります。株式会社〇〇のです」でした。

この時の私の声のトーンはちょっと高めで、緊張していて、自然体ではなかったです。ただし何百回も同じトークスクリプトでいろんな会社に電話をしているので、話し方は流暢でした。

私が発する「お世話になります」というキーワードを聞いた瞬間にですね、受付の女性の方は電話を切るモードになっていました。

なぜか?声のトーンや「お世話になります、〇〇の〇〇です」という話し方をする営業電話が毎日この会社にかかってきていて、受付担当の方はうんざりしているからです。

過去に社長に営業電話を取り次いだところ「営業電話なんてつなぐな!すぐに断れ」と言われ、嫌な経験をしているからです。

なので受付担当の方は、営業電話から発せられる情報に対して拒否をする反応をして、電話を切るという行動につながっていました。

つまり、私は営業電話を切るという行動を、受け付け電話の方にさせてしまっていて、切るモードにする反応を自分が出させていたんです。

ということは「切られない、社長につなぐ」という反応を出させるためには、自分が発信する言葉や声のトーンなどの情報を変えることによって可能になると気づきました。

それからあの手この手で話し方や声のトーンを変えたところ受付突破をすることが楽勝になりました。

相手の反応は全部自分が出させています。この情報→反応→行動のプロセスをより詳しく分解して考えていきたいと思います。

このブログ記事は2024年6月18日のポッドキャストにて配信した内容を深掘りして書いたブログ記事になります。Podcastも合わせてお聞きください。

 

感覚の受容

まず、人間が情報を取得するプロセスについて考えてみましょう。視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚などの感覚器官が刺激を受け取ることがスタートですね。

例えば、レモンを見たり梅干しを見たり、ニンニクの香りをかいだりすることが該当します。これらの感覚情報は神経インパルスとして脳に送られ、感覚野で処理されるんです。

感覚情報の処理と記憶

次に、処理された情報は、扁桃体や海馬などの脳の部分に送られ、過去の経験や記憶と結びつきます。たとえば、酸っぱいものを見たり匂いをかいだりすると、過去の経験から唾液が出るという反応が引き起こされます。

これは自律神経系の反応によるもので、副交感神経が唾液腺を刺激するためですね。

意識的な判断と行動

次に、前頭前野が関与して意識的な判断が下されます。たとえば、ニンニクの香りをかいでお腹が空いたと感じると、前頭前野が「今日は焼肉を食べよう」という行動を決定します。

最終的に、脳からの指令が運動神経を通じて筋肉に伝わり、実際に焼肉を食べに行くなどの行動が実行されます。

マーケティングへの応用

さて、このプロセスをマーケティングに応用するには、人間の感情や本能を理解し、それに基づいて戦略を立てることが重要です。以下に具体的なアプローチを紹介しますね。

感情に訴える

人間は感情によって行動を決定することが多いです。感情は即座に反応を引き起こし、行動を促進します。ストーリーテリングを通じて感情的な物語を伝えることや、目を引くビジュアルを使って視覚的に感情を刺激することが効果的です。

快楽を提供する

快楽を求める本能を利用することで、製品やサービスの魅力を高めることができます。報酬システムやエンターテイメント要素を組み込むことで、顧客が快楽を感じる体験を提供します。

痛みを回避させる

人間は痛みや不快感を避ける傾向があります。この心理を利用して、製品やサービスが痛みを軽減することを強調します。問題解決型広告やリスクの軽減策を導入することが有効です。

社会的証明と共感

人間は他者の行動や意見に影響を受けやすいです。口コミやレビュー、インフルエンサーの活用など、社会的証明を提供することで信頼性を高め、行動を促します。

短期的な快楽と長期的な満足のバランス

消費者は即時の快楽を求める一方で、長期的な満足も重要視します。このバランスを取ることで、顧客のロイヤルティを高めることができます。短期的なインセンティブや長期的な価値提供を組み合わせることが効果的です。

視覚と嗅覚の刺激

視覚や嗅覚は強力な感覚であり、瞬時に反応を引き起こします。ブランドの視覚的アイデンティティを強化したり、嗅覚マーケティングを導入することで、強い印象を与えることができます。

簡単で直感的な体験

複雑な手続きや難しい操作は痛みと感じられます。消費者がストレスなく使用できることが重要です。ユーザーフレンドリーなデザインやシンプルなメッセージを使用することで、利用者のストレスを減らします。

反応を変えるためのプロセス

同じ情報を見ても人によって反応が異なることがあります。反応を変えるためには、以下のプロセスを踏むことが有効です。

暴露療法(Exposure Therapy)

恐怖症や条件反射を弱めるために用いられる方法です。この場合、レモンを見ても唾液が出ないようにするために、レモンを見たり匂いをかいだりする状況に徐々に慣れていくことが有効です。段階的暴露と繰り返しの実践で、反応を再訓練します。

逆条件付け(Counter-conditioning)

既存の反射を新しい反応で置き換える方法です。レモンを見たときに楽しいことやリラックスすることと結びつけることで、新しい反応を強化します。

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy, CBT)

思考や行動のパターンを変えることで反応を改善する方法です。認知の再構築と行動の練習を通じて、特定の刺激に対する反応を変えていきます。

自己催眠や瞑想

自己催眠や瞑想を用いて、自分の反応をコントロールする方法もあります。自己暗示やリラクゼーションを通じて、特定の刺激に対する反応を調整します。

まとめ

人間の本能的な行動や反応を理解することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

感情に訴え、快楽を提供し、痛みを回避させるアプローチは特に重要です。また、社会的証明や直感的な体験を重視することで、消費者の信頼と満足度を高め、長期的な関係を築くことが可能です。同じ情報に対する異なる反応を変えるためには、適切なプロセスを通じて再訓練することが必要です。

人を変える前にまずは自分を変えてみましょう!相手の反応は自分自身が出させています。