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フルリモートのチーム運営、どうする?シフトバラバラ問題と向き合う日々

Hiroki Teruya By Hiroki Teruya
フルリモートのチーム運営、どうする?シフトバラバラ問題と向き合う日々

私が創業以来ずっと取り組んでいる課題について皆さんと共有したいと思います。それは、フルリモート体制でのチーム運営です。特に、Webサイト制作のようなクリエイティブな仕事において、この課題がどれほど難しいものか、そしてどのように解決策を模索しているかをお話しします。

この記事は2024年8月9日にポッドキャストにて配信した音声を記事化したものになります。 Podcastも合わせてお聞きください。

 

フルリモート体制への挑戦

創業当初から、私は「絶対にフルリモートで成功する」という強い思いを持っていました。未経験者、経験の浅い人、異なる専門知識を持つ人、地理的に離れた場所にいる人、こういった多様なメンバーでチームを作り上げることが目標でした。

しかし、この理想的な体制を実現するのは、想像以上に困難を伴うものでした。当時のスタッフからも意見をもらいつつ、日々改善していますが、いまだに良い答え、仕組みができあがっていません。

フルリモートワークで働く当時のスタッフが書いた記事もご覧ください。アメリカの会社に就職してしまったので、今は出勤はしていませんが、とても参考になります。

シフト制がもたらす課題

Webサイト制作の現場で、最も顕著に表れる問題が「シフトのばらつき」です。例えば、以下のような状況が日常的に発生します。

  1. Aさんがヘッダー画像を担当し、クライアントからフィードバックを受ける
  2. 修正が必要だが、Aさんの次の出勤は3日後
  3. 代わりにBさんが修正を担当することになる
  4. しかし、AさんとBさんでは感性や解釈が異なり、結果的に一貫性を欠く作品になってしまう

この問題は、単にスケジュール管理の問題だけではありません。個々の感性やスキルレベルの違いも大きく影響しているのです。

課題解決への取り組み

この状況を改善するため、以下のような方策を検討し、実践しています。フルリモート組織で生産性を高める取り組みはずっと考え続けています。仕組みだけではなく、インナーブランディングが最も重要だと感じてますが、まだまだですね笑。

  1. 詳細な設計図の共有
    プロジェクトの全体像を明確にし、各パートの役割を明確化する。ここでいう設計図とはワイヤーフレームやサイトマップのことを言いますが、まだまだこの精度が低いと思っております。ワイヤーフレームについてはクライアントの目的とターゲットに応じてパターンを作っておく必要があるかなと思っております。まだまだ私たちはそこまでには至っておりません。

  2. コミュニケーションツールの徹底活用
    Slackやチャットワーク、プロジェクト管理ツールのjootoなどを使い、情報共有のツールは入れてますがツールを利用するルールは設けておりません。

    タスクを管理する方法や共有の仕方、ドキュメントの記載方法などコミュニケーションツールやタスク管理ツールを入れたとしても社内で明確なルールと運用方針をしっかり明文化しておく必要があると感じています。頭でわかっていますがまだできてません。

  3. デザインシステムの構築
    基本的なデザイン要素を統一し、個人差を最小限にする。私たちの仕事の進め方はウォーターフォール型じゃなくてアジャイル型です。クライアントは形があるものに対して意見を述べることはできますが、ワイヤーフレームの状態やサイトマップだけでは議論が進みにくいです。

    なので、一旦作り込まずに叩き台を作成します。しかし1人の担当者が全て完結する場合はスムーズですが、シフトがバラバラだと引き継ぎがうまくいかないケースがあります。デザイン制作においてクライアント向けに一定のルールを提起した上でタスクに取り掛からないと無駄な作業やモレが発生し、その時間に担当してる人に無理な負荷が発生してしまいます。

  4. 詳細なドキュメンテーション
    プロジェクトの要件、進捗、決定事項を細かく記録することは頭でわかっておりますが、ドキュメンテーションのルールも整備できていません。ドキュメンテーションを細かくすることにより精度が上がる可能性はありますがその作成に時間がかかってしまうと作業時間が減ってしまいます。ここのバランスをどう取るかが課題になると感じています。

  5. 定期的なオンラインミーティング
    週1回程度、全員で進捗や課題を共有することは重要だと感じています。しかしシフトがバラバラだと関わっているメンバーの日程を合わせるのが難しいです。

    特にプロジェクトを同時進行に進めている場合常に納期が迫ってくる状態で、情報共有するためにチームを集めることは非効率になってしまいます。シフトがバラバラ問題は一定の温度感で情報共有をすることが難しいです。

    また、プロジェクトは常に変化しているので共有した情報が翌日には変更になる可能性も大きくあります。そうすると出勤した人の頭の中に入っている情報と、クライアントとやり取りした中で変更が生じたものとではその時間でタスクを担当する人が、情報をキャッチアップするのに時間がかかってしまいます。

  6. スキル標準化のためのトレーニング
    定期的な学習セッションを設け、チーム全体のスキルを底上げは絶対に必要です。これは同じ時間にインタラクティブに開催する方法とEラーニングで学習してもらう方法があると思います。

    出勤したらタスクに着手する前に、そのタスクに必要な情報や、知識、スキルをEラーニングで数分学習した後に業務に着手してもらうという方法は今までやってきておりますが、これはうまくいく方法です。

    ただし、業務に必要なタスクを分解しないと必要なスキルを学習するトレーニングカリキュラムを作成することは難しいです。スキルを身につけたとして、タスクを完了させるために想定される標準工数も算出しておく必要があります。

    時間をかければクオリティの高いものが作れるのは大前提ですが、時間をかけずにクオリティの高いタスクをするための仕組みをEラーニングで作っておく必要があると感じています。

  7. フィードバック共有の仕組み作り
    クライアントからの要望を即時に全員で共有できる環境整は備重要です。シフトがバラバラなため私がよくやる方法はクライアントとのZoomの打ち合わせのレコーディングを共有したり、スタッフとの打ち合わせのレコーディングを共有したりします。

    ただし、レコーディングを視聴する時間ももったいないので、文字起こしツールを活用した要点の整理や、必要な箇所だけを視聴してもらうためにピンポイントで何分から何分までを見てっていう風に指示を出すことが、効率化につながると思っています。これについてはもっと改善の余地があると思っております。

継続的な改善の必要性

これらの取り組みを通じて、少しずつですが改善の兆しは見えてきています。しかし、完璧な解決策にはまだ到達していません。フルリモート体制、特に創造的な仕事においては、常に新たな課題が生まれます。

それでも、この挑戦を続ける価値は十分にあると考えています。なぜなら、これからの時代、リモートワークはますます普及していくからです。今、私たちが直面している課題は、近い将来、多くの企業が直面することになると考えています。

新しい働き方のスタンダードを目指して

フルリモートでのチーム運営は、確かに難しい課題です。シフトのばらつき、個人の感性の違い、スキルレベルの差異、これらすべてが複雑に絡み合っています。

しかし、これらの課題に真摯に向き合い、解決策を模索することで、新しい働き方のスタンダードを作り上げることができるはずです。

皆さんの中にも、似たような課題を抱えている方がいるかもしれません。もし良いアイデアや経験があれば、ぜひ共有してください。一緒に、より良い働き方を探求していけたらと思います。

これからも試行錯誤は続きますが、諦めずにチャレンジし続けます。新しい時代の働き方を、共に創造していきましょう。

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