おはようございます照屋です。今日は「Webサイトリニューアルは経営戦略そのものだ」というテーマでお話ししたいと思います。まず、私自身の経験からお話しします。2012年からWebコンサルティング業界に入り、もう12年になります。
その前、2009年頃からペットの保険会社でWebマーケティングを担当していたので、実際には15年近くWebを活用した戦略を考えたり実行したりしてきました。
その中で、Webサイト制作を提案する際、仕事を獲得するのが上手い人とそうでない人がいます。私自身も最初の1年目は全く受注できませんでしたが、ある考え方を変えたところからWebサイトリニューアルの受注が増え、そのリニューアルしたWebサイトが大きな反響を呼ぶようになりました。
この記事は2024年6月15日にPodcast にて配信した音声を記事化したものになります。Podcastも合わせてお聞きください。
Webサイトは経営戦略の一部
では、結果を出せる営業マンとそうでない営業マンの違いは何か?それは、経営戦略を理解しているかどうかです。「Webサイト作りませんか?」と聞くだけでは、「もうあるよ」と断られるだけです。
Webに力をいれていない経営者はWebサイトをただのチラシや名刺代わりと捉えています。そこで、営業マンがWebサイトを経営戦略として提案すると、経営者はWebサイトのリニューアルに前向きになります。
経営戦略の理解が鍵
具体的には、まず自社が伸ばしたい事業は何か、リソース(人、物、金、情報)をどこに配分するのか、ライバルは何をしているのか、伸ばそうとしている事業が今後伸びるかどうかを考えます。
私が受注できるようになったのは、事前のリサーチを徹底したからです。
例えば、ある製造業の会社では、エラストマー成形という特殊なプラスチック成形をしている会社がありました。当初はそのエラストマーが何かよくわかりませんでしたが、徹底的に調べました。エラストマーが今後どの業界で使われるのか、なぜ伸びていくのかを調べ上げ、初回の訪問時には経営者とエラストマーについて盛り上がりました。
リサーチの重要性
経営者が気づいていない情報まで提供することで、Web制作会社の営業マンから経営パートナーとして見られるようになりました。具体的には、「エラストマー成形は今後伸びると考えますが、どう思いますか?」といった質問をし、経営者の考えを引き出しました。
こうしてヒアリングした内容から戦略を立て、Webサイトのトップページのキャッチコピーやビジュアルを決めていきました。
さらに、エラストマー成形で検索してライバル会社がどのような訴求をしているかをその場で見せながら、「このやり方はあまり効果的ではないので、こうしましょう」と具体的な提案をしました。これにより、コンテンツの内容も決まってきました。
営業マンの役割
一方で、受注できない営業マンは「Webサイト制作リニューアルしませんか?」と聞くだけで終わってしまいます。ここが大きな違いです。Webサイトリニューアルは経営戦略そのものであり、しっかりとした戦略がないと効果的なリニューアルはできません。
ディレクターの重要性
受注後はディレクターに引き継ぎますが、このディレクターの役割も非常に重要です。ディレクターが制作目線だけでなく、経営戦略を理解しているかどうかがポイントです。
例えば、ディレクターが「トップページに使う画像を用意してください」と言うだけでは、経営者にとって大きなストレスになります。
優秀なディレクターは、「素材がなければ一緒に作りましょう」と提案し、経営者の負担を軽減します。
実際の成功事例
具体的な例として、ある開発系の製造業の案件で、展示会の大きなビジュアルやブランドイメージの向上に成功した事例があります。これはディレクターが経営者と一緒に戦略を考え、具体的な提案を行った結果です。
ディレクターは廃棄する素材をクライアントからいただき、それをプラモデルのようにガンダムのようなロボットを作成し、それを撮影しキービジュアルにしました。
これはとても反響が出ました。
経営戦略の見直しとしてのWebサイトリニューアル
結論として、Webサイトリニューアルは単なるデザイン変更ではなく、経営戦略の見直しです。経営者のパートナーとして戦略を一緒に考え、効果的なリニューアルを実現することで、ビジネスの成功に繋がります。
私たち Web 業界にいる人間は、クライアントのビジネスモデルを理解して、徹底的な「リサーチ」とクライアントの半歩先を行く「構想力」が必要だと思います。
ただ未来を構想するだけではなくて、それを企画して実行する「実行力」がもっとも大事だと思います。
経営者のパートナーとして価値を提供できるようがんばっていきましょう!