沖縄ブランディングlab

AI時代に必須!「言語化スキル」を爆発的に高める最強ルーティンとは?

作成者: Hiroki Teruya|25/05/02 21:16

AI時代に不可欠な「言語化スキル」。なぜ重要なのか?毎日のブログ作成や1分間スピーチを習慣化する具体的なメリットと、その科学的・心理学的根拠を徹底解説。社員教育、自己成長、そして会社の未来を変えるヒントをご紹介します。

はじめに:新しい仲間と創る、未来の「会社のカタチ」

5月に入り、多くの企業では4月に迎えた新しい仲間たちが、少しずつ職場や環境に慣れてきた頃ではないでしょうか?

私たちの会社でも、新しいメンバーが加わり、日々の業務を通じてお互いの人となりを知り、チームワークが徐々に形作られています。まさに、これからどんな組織文化、どんなカルチャーを築いていくのか、既存の社員や経営者も含め、全員で考えていく大切な時期です。

あなたの職場では、新しいメンバーが加わった今、どんな組織文化を育もうとしていますか?

この「新しいカルチャー」を築く上で、私たちが特に重要だと考え、実践しているのが「ルーティンワークによる習慣化」です。

決めたことを、毎日、淡々と、しかし確実に実行していく。この「習慣の力」こそが、個人の成長と組織の進化をドライブすると信じています。

具体的に、私たちは社員に2つの新しい習慣を4月から義務付けました。

  1. 毎日30分でのブログ記事公開: 出勤後、30分という制限時間の中で、業務に関連するテーマや学びについてブログ記事を作成し公開する。
  2. 毎朝の1分間スピーチ&フィードバック: 朝礼で全員が1分間のスピーチを行い、その後30秒で他のメンバーがフィードバックを伝える。

「え、毎日ブログ? 1分間スピーチ? それって大変じゃない?」と思われるかもしれません。しかし、開始からわずか1ヶ月(※ポッドキャスト収録時点)で、驚くべき成果が見え始めています。

これまでブログなんて書いたことがなかった社員が、毎日書き続けることで、私を含めた3人だけで既に60本もの記事が公開されました。このペースなら、1年で720本、2年で1440本… 新しい仲間が増えれば、指数関数的に会社の知的資産が増えていきます。しかも、これは「30分」という無理のない範囲でのルーティンです。

では、なぜ私たちは、一見すると負荷にもなりかねない「ブログ執筆」や「1分間スピーチ」を、あえてルーティンワークとして重視するのでしょうか? そして、なぜそれがこれからの時代、特にAIが進化する時代において重要なのでしょうか?

今回は、これらの習慣化がもたらすメリットと、AI時代に「言語化スキル」がなぜ最重要なのかについて、私自身の経験や調査した科学的・心理学的根拠を交えながら、詳しく解説していきます。

ちなみに、あなたは何か「習慣化」していることはありますか? 早起き、運動、読書… 続けられている習慣と、なかなか続けられない習慣、その違いは何でしょうか? (私自身、運動の習慣化には苦戦しており、クライアントに「あれ、照屋さん、また大きく…」と笑われる始末です… これは良くないですね!)

この記事は2025年5月3日にポッドキャストにて配信した音声をベースに作成しています。 ポッドキャストも合わせてお聞きください。

 

AI時代に「言語化スキル」が最重要である理由

断言します。AI時代において、私たち人間にとって最も重要なスキルは「言語化スキル」です。

なぜなら、AI技術がどれだけ進化しても、それを使いこなし、共存し、そして人間ならではの価値を発揮するためには、自分の考えや意図を正確に言葉にし、伝え、そしてAIが生み出した情報を解釈する能力が不可欠だからです。

あなたは、ChatGPTのようなAIに、自分の課題や要望を明確に言葉で伝えられていますか?

私がChatGPTのセミナー講師を務める際、「何か困っていることは?」「会社の課題は?」と問いかけても、すぐに言語化できず戸惑う経営者の方を多く見てきました。これは決して「考えていない」わけではなく、「考えを瞬時に的確な言葉にする訓練」が不足しているケースが多いのです。

今後、単純な生成AIだけでなく、自律的にタスクをこなす「AIエージェント」との協働が当たり前になる時代が来ます。その時、AIに的確な指示を出せるか、AIの提案を正しく評価・修正できるかが、仕事の成果を大きく左右します。

AI時代に言語化スキルが重要となる理由を、もう少し具体的に見ていきましょう。

  1. AIとの協働と差別化

    • 的確な指示: AIはデータ分析やパターン認識は得意ですが、人間が望む成果を出すためには、具体的で分かりやすい指示(プロンプト)を言語化して与える必要があります。
      「あれ、やっといて」では、人間相手でも伝わらないように、AIにも伝わりません。AIを使いこなせる人は、結局のところ、人への指示出しが上手い人なのです。

    • 結果の解釈と伝達: AIが出力した情報を鵜呑みにせず、その文脈や意味合いを解釈し、他の人に分かりやすく伝えるのは人間の重要な役割です。

    • 評価と改善: AIが生成した文章やデザインに対し、「何か違う」と感じた時、その「何が」「どのように違うのか」を言語化できなければ、修正指示を出せません。この評価・改善プロセスに言語化スキルは必須です。

    • 人間ならではの価値: 感情、ニュアンス、暗黙知(言葉にしにくい経験則や感覚)といった、AIが苦手とする領域でのコミュニケーションや価値創造において、人間の言語化スキルが決定的な差別化要因となります。

  2. 思考の明確化と深化

    • 「外化」による思考整理(認知心理学): 頭の中のもやもやした考えを、書いたり話したりして「外に出す(外化する)」プロセスは、思考を整理し、曖昧な部分を明確にする効果があります。論理の矛盾や考慮漏れに気づきやすくなります。

    • 「教えることは二度学ぶこと」(プロテジェ効果/学習科学): 誰かに説明しようとすることで、自分自身の理解が飛躍的に深まります。「分かったつもり」を防ぎ、知識を本質的に理解するためには、言語化が不可欠です。
      「人に説明できるか」「例え話ができるか」は、自分が本当に理解しているかの試金石になります。

  3. 複雑な問題解決とイノベーション

    • 新しいアイデアの創出や、複雑な問題の解決には、多様な視点を持つメンバーとの議論が欠かせません。
      各々が自分の考えを的確に言語化し、共有・議論することで、より良い解決策や革新的なアイデアが生まれる土壌ができます。1分間スピーチの後のフィードバックでも、「〇〇さんってこんな考え方/価値観なんだ」という発見が、新たな気づきやイノベーションのきっかけになります。

  4. 共感と人間関係構築

    • AIには真似できない、相手の感情や意図を汲み取り、共感に基づいたコミュニケーションを行う能力は、信頼関係を築き、チームワークを高める上で不可欠です。
      自分の感情や考えを適切に言語化して伝えることで、誤解を防ぎ、相互理解を深めることができます。特に日本人は得意とされますが、表情や雰囲気で察するノンバーバルコミュニケーションだけに頼らず、言語化を補完することで、より強固な関係性を築けます。

「書く」「話す」習慣が未来を創る - ブログと1分間スピーチの驚くべき効果

では、これらの重要な「言語化スキル」を、具体的にどのように鍛えれば良いのでしょうか? その答えが、私たちが実践している「毎日のブログ作成」と「毎日の1分間スピーチ」なのです。これらがなぜ効果的なのか、その理由を解説します。

ブログ作成(書く習慣)のメリット

  1. 思考の構造化: 読者に分かりやすく伝えるためには、情報を整理し、論理的な順序で構成する必要があります(見出し、箇条書きなど)。このプロセス自体が、思考を構造化する最高のトレーニングになります(認知科学)。

  2. 深い理解の促進: あるテーマについて記事を書くためには、表面的な知識だけでなく、本質を深く掘り下げて理解する必要があります。「誰かに説明する」前提でインプットすることで、記憶への定着率も格段に上がります(学習科学:ファインマン・テクニック、処理水準理論)。

  3. 客観性と多角的視点の獲得: 不特定多数の読者を意識することで、「自分だけが分かる言葉」や独りよがりな表現を避け、客観的で多角的な視点から物事を捉え、表現する訓練になります。(私自身、つい専門用語やカタカナ語を使ってしまいがちなので、日々反省です…)

  4. フィードバックによる改善: 公開された記事のアクセス数や滞在時間、どの記事から問い合わせがあったかなどのデータは、貴重なフィードバックです。読者の反応を見ることで、表現の分かりにくさや改善点に気づき、PDCAサイクルを回してスキルアップにつなげられます。「どのトピックが求められているか」を知り、さらに深掘りすることも可能です。

  5. 知識の形式知化と組織への貢献: 個人の経験や学び(暗黙知)をブログ記事という形(形式知)にすることで、組織全体で知識を共有し、活用できる資産となります。

  6. 「ストック型コンテンツ」という資産形成: 一度書いたブログ記事は、インターネット上に残り続けます。数年前に書いた記事が、今でも読まれ、問い合わせや仕事につながることがあります。これは、時間と共に価値を増す「資産」を築いていることと同じです。

1分間スピーチ(話す習慣)のメリット

  1. 要約力と瞬発力の向上: 1分という限られた時間で要点を伝えるためには、情報を取捨選択し、簡潔にまとめる能力が必須です。また、即興で話す訓練は、思考の瞬発力を鍛えます(認知負荷理論)。

  2. 度胸と表現力の向上: 人前で話す経験を毎日積むことで、徐々に緊張や不安が和らぎます(心理学:暴露療法)。また、他の人のスピーチを聞き、フィードバックを行う中で、多様な表現方法や伝え方を学ぶことができます(社会的学習理論)。

  3. 論理的思考と伝達能力の基礎訓練: 短い時間でも、「結論から話す」「理由や具体例を添える(PREP法など)」といった論理的な構成を意識するようになり、あらゆるコミュニケーションの基礎が養われます。

  4. チーム内の相互理解と信頼関係の醸成: スピーチやフィードバックを通じて、メンバーそれぞれの価値観、興味、考え方を知ることができます。「〇〇さんは釣りが好きで、その話になると止まらないな」「△△さんはこんな視点を持っているのか」といった発見が、相互理解を深め、チームの心理的安全性を高めます。

習慣化こそが最強の武器 - スキルは「才能」ではなく「訓練」

ここまで読んで、「ブログやスピーチが効果的なのは分かったけど、毎日続けるのは…」と感じた方もいるかもしれません。しかし、重要なのは「言語化スキルは才能ではなく、訓練によって習得できる」ということです。

それは、腕立て伏せのようなものです。1回だけ100回やるよりも、毎日10回でも継続する方が、確実に筋肉がつきますよね? 言語化スキルも同じです。毎日少しずつでも「書く」「話す」というトレーニングを繰り返すことで、脳の神経回路が強化され(脳科学:神経可塑性)、スキルは着実に向上し、自信にもつながります。

毎日30分ブログを書く、あるいは毎日1分話す。この小さな積み重ねが、1年後、3年後、どれほどの大きな変化をあなたにもたらすか、想像してみてください。

アウトプットを前提にすると、日々のインプットの質も変わってきます。「明日のスピーチで何を話そうか」「ブログに何を書こうか」と考えることで、日常の出来事や学びにアンテナを張り、より深く物事を捉えようとする意識が自然と生まれるのです。

あなたも「言語化スキル」を鍛える習慣を始めませんか?

AIが進化し続けるこれからの時代、自分の考えを明確に伝え、他者と協力し、人間ならではの価値を発揮できる「言語化スキル」は、あなたのキャリアやビジネスにおいて、間違いなく最強の武器となります。

ブログでも、ポッドキャストでも、あるいは毎日の短い日報やチーム内での簡単な発表でも構いません。まずは「毎日続ける」ことを目標に、言語化のトレーニングを始めてみませんか?

私たちも、日々のルーティンを通じて、社員一人ひとりの成長と、より良い組織文化の創造を目指していきます。この記事が、あなたやあなたの組織にとって、新しい一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

関連記事