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老舗社長が挑んだWebサイトリニューアル 費用を抑えて若年層へ届くデザインとは?

作成者: Kumi|25/04/15 1:55

老舗企業の“今”に必要なもの──「Webサイトの刷新」


長く続く企業には、確かな歴史と信頼があります。しかし、それだけでは現代の市場を動かすのは難しい。
特に、インターネット上の“顔”であるWebサイトが、10年前のまま止まっているとしたら、それは信頼ではなく“不安”を与えてしまうことも。

「昔ながらのやり方があるから…」
「ネットで何をどう変えればいいのかわからない…」
「費用はかけたくないけれど、ちゃんとしたものにしたい…」

そんな悩みを抱える中小企業の経営者にこそ、知ってもらいたい一つの物語があります。

 

主人公は老舗和菓子店の三代目社長

今回の主役は、創業60年の老舗和菓子店「山本堂」を営む社長、山本一郎氏(仮名)です。60代の彼は、父の代から続く製法を守り続け、地元に愛されるどら焼きや最中を手作りで販売してきました。

昔からの常連客は多く、地元では「味の山本堂」として親しまれています。
しかし、あるときから新規のお客様がぱったりと減少。特に若年層の来店がほとんど見られなくなったのです。

原因を探っていたある日、大学生の孫から思わぬ一言が飛び出します。

 

「おじいちゃんの店、ネットで見るとちょっと…」

孫が指摘したのは、10年以上前に作られた古いWebサイト。
表示速度は遅く、スマートフォンではレイアウトが崩れ、営業時間が変更されているにもかかわらず更新もされていません

さらに、Googleレビューにはこんな声が。

「ネットでは営業していると書いてあったのに、行ってみたら閉まってた…がっかり。」

「昔ながらの味にこだわってきたけれど、“情報”は古くても良いってわけじゃない」
山本氏は、初めてWebサイトが与える印象の大きさを実感したのです。

 

インサイト1:古いWebサイトが、ブランドの価値を損なっている

この出来事が示すように、情報の鮮度はそのまま信頼性に直結します。
たとえ味やサービスが素晴らしくても、Web上の第一印象で“古い”“信用できない”と感じさせてしまうと、それだけで来店や問い合わせの機会を失ってしまうのです。

 

インサイト2:リニューアルしたいが、何をすればいいかわからない

山本氏は、商工会を通じて地元のWeb制作会社へ相談に行きます。

「最近の人たちに伝わるサイトって、どう作ればええのか、さっぱりでね…」

制作会社はこう答えました。

「今のWebサイトは、“誰に何を届けたいか”を明確にした設計が求められます。
特にスマホ最適化、SSL対応、直感的なデザインは最低限です。ですが、高価な制作費をかけずとも、効果的な見せ方は可能ですよ」

ここで山本氏が感銘を受けたのが、「物語を伝えることが若い世代の心を掴む」という言葉でした。

 

インサイト3:「安く・効果的に」リニューアルしたい

山本氏の最大の課題は、「なるべく費用をかけずにリニューアルしたい」という点。
通販機能は不要、ブログや複雑なCMSもいらない。だが、“ちゃんとしている”と感じられるWebサイトが欲しい。

Web制作会社は、こう提案します。

  • テンプレートベースのシンプルな構成
  • スマホ対応・SSL対応済み
  • 創業ストーリーを中心にした一枚構成のサイト
  • 今後も自分たちで更新できる設計

まさに、「必要なものだけ、最大限に活かす」構成でした。

 

そして生まれ変わったWebサイト

約2ヶ月後に完成したWebサイトは、以下のような構成でした。

項目

内容

トップ画像

和菓子の美しい写真と「三代続く味」キャッチコピー

創業ストーリー

創業者の想いと家族の歴史を綴る文章+写真

人気商品紹介

定番どら焼き・季節限定商品を数点紹介

アクセス情報

Googleマップ連携、最新営業時間の掲載

お知らせ欄

祭りへの出店や休業情報など手軽に更新可能なスペース

結果的に、Webサイトの総制作費は予算以下。
にもかかわらず、公開後の反響は驚くべきものでした。

 

若年層からの来店が急増。「SNSで見て来ました」

新しいWebサイトを見た人がSNSで店舗の写真を投稿し、それを見た他の若者たちが来店。

「ネット見て来ました」
「どら焼き、映えますね」

今まで一度も来たことのない若年層が店を訪れ、地元の味を楽しんでいきます。

山本氏は、目を細めながら言いました。

「変わらんもんもあるけど、変えにゃ伝わらんもんもあるな」

 

成功のポイントまとめ:老舗企業がWebリニューアルで失敗しないために

山本氏の例から学べる、コストを抑えて成果を出すWebサイトリニューアルのポイントをまとめます。

1. スマホ対応は必須

若年層はほぼスマホで閲覧。PCのみの設計は機会損失。

2. SSL対応で「安心」を提供

セキュリティが甘いサイトは、見ただけで信頼を失います。

3. ストーリー性で差別化

価格やデザインでの勝負よりも、「想い」「歴史」のある企業は、その物語を伝えることで共感を生みます。

4. シンプル設計&自分で更新可能

ノーコードツールのWix Studioを活用し、自社で運用・更新できる設計にしておくとコスト削減にもつながります。

 

最後に:伝統と革新は両立できる

山本氏の物語は、老舗企業が「時代の変化にどう向き合うか」という問いに対する一つの答えです。

伝統を守りながら、今の時代に“届ける”努力を怠らない姿勢。
それこそが、これからの企業に求められる姿なのかもしれません。

あなたの会社のWebサイト、今のままで本当に伝わっていますか?