「契約してください」だけでは人は動かない
いきなりトップページに「ご契約はこちら」ボタンを置いても、誰もクリックしません。それは、例えるなら「はじめまして、結婚してください!」と言っているようなもの。
人は、知らない相手に対して3つの“ネガティブな感情”を持ちます:
- 不信(誰なの?信用できない)
- 不安(この人、大丈夫?詐欺じゃない?)
- 不満(この人と付き合って、何が得?)
この「3つの不」を払拭する情報を丁寧に届けていくことこそが、Webコンテンツの役割なのです。
だからこそ必要なのが「順番」設計
「まずはお互いのことを知りましょう」
これがWebサイト制作における基本姿勢です。自分たちの「見た目(ビジュアル)」「言葉づかい」「価値観」「実績」「お客様の声」などを、丁寧に開示していくことで、信頼と安心を少しずつ獲得していく構造を作ります。
Webサイトは“擬人化”して考えると分かりやすいです。
- 明るい性格?それともクール?
- 口調はフレンドリー?ビジネスライク?
- 表情は笑顔?真剣?
このように「自社らしさ=ブランドらしさ」を表現するために、見た目や言葉選びにも一貫性が求められます。
採用・集客・ブランディングでページの役割は変わる
Webサイトには明確な“目的”があります。
- 採用強化が目的なら→働く環境、キャリアパス、社員の声を届ける
- 集客が目的なら→サービスのメリット、料金、導入事例、Q&Aを充実させる
- ブランディングが目的なら→理念、想い、ストーリー、社会的な意義を伝える
それぞれ「ターゲットがどんな情報を求めているか?」を想像して構成を考えることがポイントです。
ページ構成の基本パターン
では、一般的なWebサイトに必要なページ構成を紹介します。
1. トップページ
まるでパンフレットの“表紙”。最初に誰もが見るページです。第一印象で“らしさ”を伝えましょう。
2. 事業内容(サービス紹介)
自社が何をしている会社なのかを明確に。複数のサービスがある場合は個別ページに分けて詳しく説明を。
3. 私たちについて(会社概要・理念)
理念やビジョン、代表メッセージなど、会社の“中の人”が見える内容があると信頼感が増します。
4. 実績・お客様の声
成果物、インタビュー、導入事例など。自社サービスの価値が客観的に伝わる内容を盛り込みます。
5. 採用情報(必要に応じて)
働く環境、社員紹介、社内イベントなど、「この会社で働きたい」と思ってもらえる情報を掲載します。
6. お問い合わせ・資料請求・エントリーフォーム
ゴールとなるCTA(Call To Action)ページ。信頼を積み重ねた上で「行動」してもらう場所です。
「3つの不」を払拭する情報の出し方
もう一度、重要なのは「不信」「不安」「不満」の3つの不。 それぞれに対応する情報を以下に整理してみます:
| 不信 | 会社概要、代表メッセージ、顔写真、理念
| 不安 | 導入実績、料金体系の透明性、Q&A、保証制度
| 不満 | 導入後の変化、具体的メリット、比較表、成果レポート
これらを各ページにバランスよく盛り込むことで、ユーザーは安心して問い合わせや応募というアクションを取ってくれます。
話し言葉で設計してみよう
迷ったら、「目の前にお客様がいたとして、どんな順番で話すか?」を考えてみてください。 営業トークをそのままWebに載せるイメージです。まずは人柄を知ってもらい、次に実績、サービス詳細、料金、最後に「気軽にご相談ください」。
この“話しかける感覚”が、等身大で共感されるWebサイトを作る第一歩です。
まとめ
いきなり「ご契約ください」「採用します」とボタンだけ設置しても、ユーザーは動きません。 人は常に「不信」「不安」「不満」を抱えています。
その3つの“不”を払拭するために、ページごとに信頼を積み上げる情報を出していく。 そして、その順序やトーンに“自社らしさ”を込めることが、Webサイトで成果を出すための本質です。
迷ったら、誰かにプレゼンするつもりで、話し言葉で順序立ててみてください。答えはあなたの中に、すでにあります。