中小企業の経営者の皆さま、日々の営業活動、本当にお疲れ様です。足を使った営業、テレアポ、飛び込み訪問…その努力には本当に頭が下がる思いです。ですが、もしもっと効率的に、そして継続的に「お客様の方から問い合わせが来る」仕組みを作れるとしたら、ぜひ試してみたいと思いませんか?
大企業のように潤沢な広告費を使えない中小企業こそ、知恵と工夫でお客様を惹きつけるべきです。そのための鍵となるのが、「全社員で取り組むブログ」、いわゆるインバウンドマーケティングなのです。
私たちが目指すべきゴールはとてもシンプルです。
クライアントにとって「役に立つ情報」を提供し、「このサイトは頼りになる」と信頼してもらうこと。
そして、その信頼を土台にして、自然と問い合わせに繋げていくこと。
これは、これまでの「売り込む営業」とは真逆の考え方です。待ちの営業、つまりお客様からのアクションを待つ形ですが、実はこれこそが中小企業にとって最も効率的で、持続可能な営業戦略になります。
■ なぜ今、中小企業こそ全社ブログに取り組むべきなのか?
少し想像してみてください。あなたの会社の総務担当、事務担当、経理担当。彼らは日々の業務の中で、お客様からの様々な問い合わせに対応しているはずです。
製品に関する素朴な疑問、手続きについての質問、過去事例についての相談…
実は、こうした「現場の声」の中には、お客様が本当に知りたい情報や、隠れたニーズがたくさん眠っています。
これらの情報が営業担当者だけにとどまり、共有されずに活かしきれていないとしたら、非常にもったいないことです。
総務や事務の方が、日々の業務を通じて得た知識や経験を「ブログ」という形で発信すれば、
顧客の疑問に応える「お役立ち情報」
手続きや使い方に関する「わかりやすいガイド」
実際のお客様の声を反映した「リアルな事例紹介」
など、読者にとって「ぜひ知りたい!」と感じる情報を届けられるのです。
■ 私が確信した「全社ブログ」の驚くべき効果
以前、私がWebサイト改善をお手伝いしたB社(中小製造業)では、社長の号令のもと、本当に全社員でブログ運営に取り組む体制を作り上げました。
最初は「え?私がブログを書くんですか?」と戸惑う社員も多かったのですが、目的を明確に共有し、テーマ出しのワークショップなどを通して、徐々に自発的に記事を書く社員が増えていきました。
たとえば、
製造部のベテラン職人が、製品製造のこだわりや工夫を語った記事。
経理担当が、請求書や支払い方法について詳しく説明する記事。
新入社員が、入社後に感じた会社の魅力や学びを発信するフレッシュな記事。
こうしたブログ記事が公開されるたびに、Webサイトへのアクセス数は右肩上がりで増加していきました。
そして何より驚いたのは、これまで問い合わせがなかった新規のお客様から、
「〇〇について詳しく教えてください」
「御社の技術に興味があります」
といった声が届き始めたことです。
B社の社長は当時、こうおっしゃっていました。
「まさか、事務の女の子が書いたブログ記事が、新規取引のきっかけになるなんて、夢にも思わなかったよ!」
これこそが、全社ブログによるインバウンドマーケティングの力です。
社員一人ひとりが発信する「役立つ情報」は、お客様の信頼を引き寄せ、いままで届かなかった新たな潜在顧客へアプローチする「磁石」の役割を果たします。
■ 問い合わせに繋がる「役立つブログ記事」の作り方 5つのステップ
では、具体的にどのようにして「役立つブログ記事」を作成し、問い合わせにつなげれば良いのでしょうか?
ポイントは以下の5つです。
① 顧客の「悩み」と「疑問」を徹底的に洗い出す
→ 営業だけでなく、総務や事務など顧客と接点の多い人たちにもヒアリングし、リアルな声を集めましょう。アンケートやSNSも有効です。
② キーワードに基づいたテーマ設定
→ 洗い出した悩みをもとに、お客様が実際に検索しそうなキーワードを設定します。Googleキーワードプランナーなどの無料ツールが役立ちます。
③「誰に」「何を」「どう伝えるか」を明確にする
→ ペルソナを意識し、専門用語を避け、分かりやすい言葉と具体的な事例で伝えます。読者目線が大切です。
④ 信頼性を高める「裏付け」と「人間味」を加える
→ データや実績などの根拠を添えて、記事の信頼性を高めましょう。執筆者の顔が見えるような、温かい表現も重要です。
⑤ 自然な流れで「問い合わせ」に誘導する導線を設計する
→ 記事の最後に「もっと詳しく知りたい方はこちら」「無料で資料をダウンロードできます」「お気軽にご相談ください」といったCTA(行動喚起)を添えます。
■ 全社員が「営業担当」になる組織文化を作ろう
全社ブログを成功させるためには、ただ記事を書くのではなく、「私たち全員が、お客様の役に立つ情報を発信していこう」という意識を社内に浸透させることが大切です。
ブログの目的を全員で共有する
勉強会や情報共有の機会を設ける
優れた記事を書いた社員を表彰する
こうした取り組みにより、社員のモチベーションを維持し、全員が「営業の一員」として情報発信する文化を育てましょう。
■ 中小企業だからこそ「共感」を呼ぶブログが作れる
大企業のような洗練されたマーケティングは難しくても、中小企業には「人の顔が見える温かさ」があります。
現場の熱意やお客様への感謝、地域への貢献など、飾らない言葉で伝えることで、読者の心を動かし、「この会社と繋がりたい」と思わせることができます。
■ 「引き算の営業」で問い合わせを増やそう!
もう、無理に売り込む時代は終わりです。
全社ブログによるインバウンドマーケティングは、営業効率を最大化し、しかもコストも抑えられる非常に賢い戦略です。
今日から、あなたの会社の総務担当も、事務担当も、そしてあなた自身も、情報発信という「引き算の営業」で、お客様との新たな出会いを増やしていきましょう!