沖縄ブランディングlab

OWNDAYS(オンデーズ)に学ぶ!「人」で勝つ中小企業のブランド戦略

作成者: Hiroki Teruya|25/05/03 23:04

OWNDAYSのブランド戦略をヒントに、採用難に悩む地方中小企業が“人を主役にする”ブランディングで魅力を発信する方法を解説します。また、OWNDAYSとJ!NSの採用ページの比較からわかることを共有します。

この記事は2025年5月4日にポッドキャストにて配信した音声を元に作成しています。ポッドキャストも合わせてお聞きください。

 

商品ではなく「人」で選ばれる時代

「安くて、早くて、おしゃれ」。それだけで選ばれる時代は、もう終わりかもしれません。
僕が最近注目しているのが、メガネ業界で圧倒的に存在感を放つ「OWNDAYS」の戦略です。
地元企業が生き残るためにヒントになるのが、“人”を主役にしたブランディングです。

OWNEDAYSの店舗体験で得た気づき

先日、息子のメガネが壊れて急遽OWNDAYSへ。対応の早さ、20分での仕上がり、そしてなによりスタッフの印象に驚かされました。
黒いパーカーに白ロゴの制服、統一感のあるメイク、明るくて親しみやすい接客──単なるメガネ屋さんではない。まるで“ブランドの世界観”そのものでした。

しかもスタッフはみな若く、いきいきと働いている。それだけで、企業としての魅力が伝わってきます。

「SPA型ビジネス」以上の強みは人をブランドにする戦略

OWNDAYSやJ!NSは「SPA(製造小売業)」という業態でコストを抑えていますが、それ以上に大きいのが人をブランド化している点です。特にOWNDAYSは、社員ひとりひとりがブランドアンバサダーのように輝いて見えるのです。

地方のローカルテレビ局で配信されたオンデーズのテレビCM。出演者はタレントではなく、社員さんらしいです。

 

TikTokも積極的に社員さんが登場しています。

公式サイトや採用サイトでもスタッフを前面に出し、企業の魅力ではなく“人の魅力”で差別化を図っています。

OWNDAYSの公式サイトのフッター付近にスタッフの動画が紹介されています。沖縄の店舗スタッフもいるかなとスクロールすると、いました!今度会いに行こうとかな。(笑)

地元企業との決定的な違い:採用サイトにも表れる本気度

J!NSの採用サイトは公式サイト内に収まっている一方で、OWNDAYSは完全にドメインを分け、世界観を変えています。
recruit.owndays.comというサブドメインで運営し、まるで雑誌のように「働く人」にフォーカスしたコンテンツを発信。

<ONDAYSの採用サイト>

<J!NSの採用ページ>

働く人を主役に据える、これがOWNDAYSの採用ブランディングの考え方だと思います。
「人に会いに行きたくなる職場」。それができているからこそ、若者の心に刺さるのです。

OWNDAYSとJ!NSのブランド戦略の比較

特徴

OWNDAYS

JINS

コアコンセプト/ビジョン

「メガネ業界のZARA」→「安心」→「OWN ‘your’ DAYS」(ファッション、信頼性、自己表現) 

「Magnify Life」(アイウェアを通じた人生の豊かさの拡大) 

主要ターゲット層

ファッションに関心のある若年層、価格と分かりやすさを重視する中高年層、海外顧客/インバウンド

機能性を求める層(PCユーザー等)、ライフスタイルに合わせてメガネを選ぶ層、幅広い年齢層

副次ターゲット層

多様な価値観を持つ幅広い層

トレンドに敏感な20-30代(RIMブランド)

主要な価値提案

スタイル、スピード、価格のシンプルさ、信頼性(安心)、グローバルな展開 

イノベーション、機能性、ライフスタイルへの統合、適正価格での品質、顧客ウェルビーイング

ブランドパーソナリティ/イメージ

ファッショナブル、スピーディー、親しみやすい、信頼できる、グローバル

革新的、機能的、誠実、インスパイアリング、ライフスタイル志向

 

「裏方に徹するWeb制作業界」から見えた気づき

Web制作業界にいる僕自身、「表に出るのはクライアント」「自分たちは裏方」という意識が強くありました。
でも、それって本当に今の時代に合ってるのか?

OWNDAYSのように、“働く人が主役”になることで、会社の印象は一気に変わります。
社員が活躍する姿に憧れて応募する──そんな未来を作るには、まず人を見せる覚悟が必要です。

「人でブランディングする企業」が勝つ時代へ

地元企業の採用において、よくあるのが「とりあえずハローワーク」「公式サイトにちょこっと採用情報を載せる」だけ。これでは若い世代には響きません。

重要なのは「採用情報」ではなく、「働く人の物語」。
会社紹介ではなく、“人に出会えるWebサイト”を作ること。OWNDAYSの事例は、まさにその成功パターンです。

実際にできる!人を主役にする採用ブランディング施策5選

  1. 採用サイトをサブドメインで独立させる
     →世界観を変えることで、ブランドとしての真剣さが伝わる

  2. 社員紹介を雑誌のように構成する
     →業務内容だけでなく「人生の選択」としての働き方を紹介

  3. SNSで社員が“自ら発信”できる文化づくり
     →TikTokやInstagramで、社員の個性が企業の魅力に

  4. 写真や動画のトーンを統一する
     →ブランド世界観をビジュアルでも構築

  5. 「憧れられる職場像」を明確に打ち出す
     →社風・働く姿勢・価値観を発信し、共感を得る

地方から“OWNDAYSのような会社”を目指すには?

沖縄にも素晴らしい企業はたくさんあります。
でも「見せ方」で損をしている会社も多い。実にもったいないです。

OWNDAYSのような「ブランド×人材戦略」を取り入れれば、地方発でも全国に届く企業になることは可能です。
むしろ、地域性と“人の温かみ”が融合すれば、唯一無二の企業ブランディングになります。

まとめ:「憧れの先に、採用がある」

人手不足に悩む企業が、まず取り組むべきことは求人票の改善ではありません。
“人が憧れる職場”を見せること。そのためには、社員の姿こそが最大のコンテンツです。

OWNDAYSの戦略から学べるのは、採用とは「企業の魅力を売り込むこと」ではなく「人の魅力に共感してもらうこと」。

地方中小企業だからこそできる、“人で勝つ”戦略を、今こそ始めましょう。

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