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中小企業が採用・集客に効くWebサイトを作るには?「3つの不」を払拭するコンテンツ設計の考え方

作成者: Hiroki Teruya|25/05/07 23:59

採用や集客に効くWebサイトに必要なコンテンツとは?「3つの不(不信・不安・不満)」を軸に、信頼されるページ設計のポイントを解説します。

はじめに

「Webサイトを作りたいけど、どんなページが必要か分からない」「何を載せたら効果が出るの?」

そんな悩みを持つ中小企業の経営者は、実は少なくありません。特に、今の時代、採用も集客もWebが大きな役割を担っています。でも、現場では「サイトはあるけど応募がない」「リニューアルしたいけど、業者に何を伝えればいいか分からない」──そんな“迷子状態”になっている方が多いんです。

今回のブログでは、私たちが実際にWebサイト制作の現場で話していること、考えていることをベースに、「どんなページを、どんな順序で、どんな意図で作ればいいか?」という具体的なコンテンツ設計の考え方をお伝えします。

この記事は2025年5月8日にポッドキャストで配信した音声をもとに作成しています。ポッドキャストも合わせてお聞きください。

 

Webサイトは一方通行の「プレゼン」だと捉える

Webサイトの役割を一言で言うと、「一方通行のプレゼンテーション」です。 つまり、ユーザーに向けて自社の情報を伝える“デジタル営業マン”のような存在です。ただ、リアルな営業と違うのは、相手の表情も反応も見えないこと。だからこそ、見ただけで伝わるように情報を整える必要があるんです。

「契約してください」だけでは人は動かない

いきなりトップページに「ご契約はこちら」ボタンを置いても、誰もクリックしません。それは、例えるなら「はじめまして、結婚してください!」と言っているようなもの。

人は、知らない相手に対して3つの“ネガティブな感情”を持ちます:

  • 不信(誰なの?信用できない)
  • 不安(この人、大丈夫?詐欺じゃない?)
  • 不満(この人と付き合って、何が得?)

この「3つの不」を払拭する情報を丁寧に届けていくことこそが、Webコンテンツの役割なのです。

だからこそ必要なのが「順番」設計

「まずはお互いのことを知りましょう」

これがWebサイト制作における基本姿勢です。自分たちの「見た目(ビジュアル)」「言葉づかい」「価値観」「実績」「お客様の声」などを、丁寧に開示していくことで、信頼と安心を少しずつ獲得していく構造を作ります。

Webサイトは“擬人化”して考えると分かりやすいです。

  • 明るい性格?それともクール?
  • 口調はフレンドリー?ビジネスライク?
  • 表情は笑顔?真剣?

このように「自社らしさ=ブランドらしさ」を表現するために、見た目や言葉選びにも一貫性が求められます。

採用・集客・ブランディングでページの役割は変わる

Webサイトには明確な“目的”があります。

  • 採用強化が目的なら→働く環境、キャリアパス、社員の声を届ける
  • 集客が目的なら→サービスのメリット、料金、導入事例、Q&Aを充実させる
  • ブランディングが目的なら→理念、想い、ストーリー、社会的な意義を伝える

それぞれ「ターゲットがどんな情報を求めているか?」を想像して構成を考えることがポイントです。

ページ構成の基本パターン

では、一般的なWebサイトに必要なページ構成を紹介します。

1. トップページ

まるでパンフレットの“表紙”。最初に誰もが見るページです。第一印象で“らしさ”を伝えましょう。

2. 事業内容(サービス紹介)

自社が何をしている会社なのかを明確に。複数のサービスがある場合は個別ページに分けて詳しく説明を。

3. 私たちについて(会社概要・理念)

理念やビジョン、代表メッセージなど、会社の“中の人”が見える内容があると信頼感が増します。

4. 実績・お客様の声

成果物、インタビュー、導入事例など。自社サービスの価値が客観的に伝わる内容を盛り込みます。

5. 採用情報(必要に応じて)

働く環境、社員紹介、社内イベントなど、「この会社で働きたい」と思ってもらえる情報を掲載します。

6. お問い合わせ・資料請求・エントリーフォーム

ゴールとなるCTA(Call To Action)ページ。信頼を積み重ねた上で「行動」してもらう場所です。

「3つの不」を払拭する情報の出し方

もう一度、重要なのは「不信」「不安」「不満」の3つの不。 それぞれに対応する情報を以下に整理してみます:

| 不信 | 会社概要、代表メッセージ、顔写真、理念 
| 不安 | 導入実績、料金体系の透明性、Q&A、保証制度 
| 不満 | 導入後の変化、具体的メリット、比較表、成果レポート 

これらを各ページにバランスよく盛り込むことで、ユーザーは安心して問い合わせや応募というアクションを取ってくれます。

話し言葉で設計してみよう

迷ったら、「目の前にお客様がいたとして、どんな順番で話すか?」を考えてみてください。 営業トークをそのままWebに載せるイメージです。まずは人柄を知ってもらい、次に実績、サービス詳細、料金、最後に「気軽にご相談ください」。

この“話しかける感覚”が、等身大で共感されるWebサイトを作る第一歩です。

まとめ

いきなり「ご契約ください」「採用します」とボタンだけ設置しても、ユーザーは動きません。 人は常に「不信」「不安」「不満」を抱えています。

その3つの“不”を払拭するために、ページごとに信頼を積み上げる情報を出していく。 そして、その順序やトーンに“自社らしさ”を込めることが、Webサイトで成果を出すための本質です。

迷ったら、誰かにプレゼンするつもりで、話し言葉で順序立ててみてください。答えはあなたの中に、すでにあります。